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FEB1999
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[25-28]
■ここ2〜3日で香港の湿度は急上昇している。一昨日あたりは棒グラフX軸からプラス80度の角度ではなかったかと。就寝前に各々9.0Lのキャパがある除湿機をふたつ稼働させても、朝にはどちらも満杯になり止まっている。こえーよー。されど気温はまだ「暑い」と感じるほどでもなく、エアコンにすがるのはもっともっと先のこと。日差しはまだ優しくうららかで、南国の短い春が過ぎてゆく。
■先日の帰国中に貸してもらったり買ったり譲られたりして持ち帰った書籍一覧。
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タオは笑っている(R.M.スマリヤン/工作舎)
BRAIN VALLEY 上・下(瀬名秀明/角川書店)
接続された心(S.タークル/早川書房)
大サービス(原田宗典/集英社)
蔭桔梗(泡坂妻夫/新潮文庫)
湖底のまつり(泡坂妻夫/創元推理文庫)
日本人は思想したか(吉本隆明・梅原猛・中沢新一/新潮文庫)
愛情の限界(連城三紀彦/光文社文庫)
骨笛(皆川博子/集英社文庫)
とり残されて(宮部みゆき/文春文庫)
ステップファザー・ステップ(宮部みゆき/講談社文庫)
クルーグマン教授の経済入門(P.クルーグマン/メディアワークス)
The Internet THE ROUGH GUIDE 1999 (A.J. Kennedy/Rough Guides)
一日江戸人(杉浦日向子/小学館文庫)
さかしま砂絵(都筑道夫/光文社時代小説文庫)
くらやみ砂絵(都筑道夫/光文社時代小説文庫) 
百日紅 上・下(杉浦日向子/ちくま文庫)
時代小説の楽しみ11魔界への招待(縄田一男編/新潮文庫)
艶色江戸川柳(山口椿/河出文庫)
神州纐纈城(国枝史郎/講談社大衆文学館文庫)
世界怪奇実話(牧逸馬/講談社大衆文学館文庫)
一万十秒物語(上・下 倉多江美/ちくま文庫)
グインの最新刊3冊(外伝含)
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やれどうも趣味のベクトルがあからさまだよぅ。
■帰国すると銀座東芝ビルの旭屋書店に立ち寄ることが多い。場所柄ジョウチャンボッチャンたちが少なく、なんとなくしっとり落ち着いている店内と、ぼよぼよと2〜3時間かけて全部の棚を巡って歩いたり立ち読みしたりするのにちょうどいい店舗の大きさが気に入っている。大概ここで数冊は買って帰るのだけれど、今回覗いてみると講談社大衆文学館文庫がきれいさっぱり棚から姿を消していたので悄然とする。しょげたままいつも拝みにいくみすず書房の棚をお参りするも、今回は買わず。
■上記の「世界怪奇実話」は、牧逸馬氏が昭和初期にものした「世界びっくり三面記事」的セミドキュメンタリー集。現在読書中なのだが、収録作中タイタニック号海難事件の章に登場するカルパチア号(最初に現場に到着し救助活動を行った船)にごぼごぼと興味が沸く。世紀の悲劇として名高い、と云うのもこの頃じゃ口はばったい海難事件だが、自分はどうにも悲しいお話に弱いのでこれまで避けて通っていた。だって「沈みゆく船上で、バンドはなお最後まで演奏を続けていました」ですヨ…そんなの悲し過ぎる、想像しただけで苦しい、辛い、やめてくれ、夢に見るッス。しかしその哀しい物語の中にあってこのカルパチア号の行動にはまだしも慰められ得ることを知ったのデス。タイタニック号からのSOSを受信するや、自身も氷山にぶつかり沈没するやもしれぬ危険を冒し、凍える気温の中暖房を止め全てのスチームをエンジンに集中させ、全速力で海難現場に急行したカルパチア号。船舶の正義とか義務だとか云う高尚な話ではなく眉つばものの美談でもいい。沈んでゆく伝説の巨人より生きて懸命にかけつけてくれる人により魅力がある、と思う本日の我がココロでござった。
■でも例によってネットでみつけられないんです、カルパチア号のより詳細な行動記録が。▼こういう辞典HPでしらみつぶしに探すのがよいのかも知れないけれど、いまいちパワー不足の休暇明け。ちなみに別ルートで電網浮遊してぶつかった▼海上保安庁水路部によれば、平成11年2月からモールス無線電信による航行警報は廃止されたそうです…関係ないか。
■土曜に休日出勤してみればものの見事に緊急度の低いものから手をつける、即ち仕事内逃避。それにしても今月4回しか更新してませんね。来月はもうちょっとこまめにやれるとよいな。スタイル変えてみようかしら。テーブルタグがつんがつん使うとか、絶対値で文字サイズばしばし指定するとか←喧嘩売ってんのかわれ。
■しあわせものめ。

[23-24]
■12日から22日まで日本に一時帰国していたので、しばらく更新がストップしていました。またぼちぼち再開します。今回お会い出来なかったアナタ、見捨てないで。次回連絡するずら。
■東京では雪を見たけれど、香港は相変わらずぬくぬく暖かいのだった。初春7割初夏3割なひざしがきらりきらりと湿気た大気を突き刺している正月明けのとぼけた空。気温はだいたい16〜23度というところ。もうしばらくすると霧が増えて、やがて雷が夜毎鳴り響くのでござる。今は西李(プラム)とパパイヤが旬。
■先日▼hosokin's roomさんの「お勧めサイト90選」に選んでいただいたんですが、そこではこの日記は「ネット者」というジャンルに分類されていました。語感として嫌いじゃないので嬉しいんですが、はて「ネット者(やはりこれはねっともの」と発音するのか)」ってなんだべし。電網うろうろ活動のことかのぅ。
■電網漂流運動は、酔っ払いが図書館や大きな本屋をぶらぶらしながらうへうへぶつくさやっているが如き酩酊感覚が良くて、もっとはまりたいところ。コジャレ系とかトンデモ系とかモテ系(ってなに?モテタイ系の略?それともモテテル系?)もさることながら、研究系や随筆系で興味深いリソース、それにオンラインチュートリアルの優れものに出会いたいっす。
■然してふと「コジャレ系」の語源を知りたいと思い検索すれども釣れず、今人気があるらしい若いヲトコノコたちのジャレまくり日記ページに連れていかれたり。綺麗でシンプルなレイアウトに下ネタ爆載怒涛のメタ自虐漫談的世界はなかなか好みなので、大脳皮質ちょっと匂っちゃうかもどうしようってな程度に巡る。男子学生ばかりが下宿している安アパートの管理人になって各部屋を巡回している気分。しかし彼等は部屋の扉を開いて見せてくれているだけであって、覗ける場所は押入や机の中ではない。そこらあたりがまだしも読む人の実存(存在と実存ってどう違うんだっけ)を意識して書くことが出来る賢しいコジャレ君たちであることよ、と思った次第。
■そして新たな疑問→コジャレ君たちは理系文系に分かれているのか?もしそうならどう違うのか、そしてどっちがキモチいいのか?
■泡坂妻夫「湖底のまつり」(創元推理文庫)読了。物語途中でトリックはほぼわかってしまった(経験者だから<半嘘)が、それでもなお大いに眩惑され溺れてゆけるのが泡坂世界か。女の蜜と髪だけで織られた布を、凍った水に浸してゆっくり引き裂いてゆくような。
■旅行前と旅行中のメモ日記(ロマンスカーとみすず書房と捕獲済書籍リスト。VAIO捕獲失敗談は悔しいから書かねえ!)やらメールのお返事などは明日以降。

[5-7]
■金曜日:仕事という液体が8分目ほどまで注がれたビーカーの縁につかまって、元気よくバタ足。これで痩せれば文句なしなんだが。
■土曜日:午前11時に美容院に予約を入れていたのだが、目が覚めたら昼。慌てて寝間着のまま再予約の電話を入れているところに大家父子がやってくる。先週の火曜日に起きた「小さな犯罪」とは、何処かの誰かが滞納した借金を取立にきたやくざさんが、その借り主の家とわが家を間違えて(勘弁してくれ)玄関先に真っ黒なコールタール状のインキをぶちまけていった「いやがらせ間違い事件」であったのだが、父子はその修復作業に来てくれたのである。業者にまかせずこのように自分の手であらかたの修繕をこなしてしまう大家は香港に多く、壁の塗装、水道管の破損修復、電気の配線までこなすつわ者も少なくない。父子いわく「今回のことは災難だったが君は一切心配しなくてよい。修復も負担しなくてよい」とのことで、有難く直して頂くことにするが、目の前で一生懸命ごしごしぺたぺたしている二人をおいて出かけるわけにもいかず、かといって家の中の食料は切れていてしだいに空腹になるしで、ひとり悩む。おまけに作業がしづらいと云うので玄関ドアを開けたまま=部屋のなかが外から丸見え状態である。プライバシー云々の前に、とっちらかってる様子を他人様に目撃されたのが痛恨の一撃でダメージ9999、残りHP1。「この日本人、なんちゅー部屋の使い方をしとるんだ」と腹の中で大いに呆れられていること必至、せめて微々とも挽回すべくおもむろにこっちもゴム手袋などはめ正月前の大掃除を装うが、そのうち自分も作業に没頭し始め、恥ずかしさは何処へか消えてしまう(なんか間違ってる…)。数時間のち大家父子は「あと一回くらいで終わるよん。お休みなのに邪魔してごめんね」と爽やかに去っていった。その「あと一回」がいつなのか、もしや明日だったらどうしようと頭上に曇渦ぐるぐる死の宣告状態のまま、とりあえず夕刻から美容院へ。カットだけのつもりが何故かストレートパーマをかけることになり、結果4時間かかった。吐血あるのみ。
帰りにそごうの旭屋書店で通信販売カタログ(見ているだけで楽しいなんて、貧乏症っすかね…)と雑誌をいくつか、それに宮部みゆきの「かまいたち」を買う。
■日曜日:二日に渡って美容院に行くなんていったいどんな毛髪量だと自分でも思うが、前日出来なかったヘアマニキュアとカットをしに昼過ぎから再び外出。ざくざく切る。ここ数年で二番目に短いかもしれないが、気分転換にはよい感じである。夜はSさんと地元の食堂で夕食を取りつつ、いよいよ正月気分が出てきたね、としみじみ。歳末セールはこの一週間でピークになるだろう。冷えまくった景気でも少しは財布の紐が緩むこの時期を見込んでか、どの商店も営業時間を延ばしているようだ。香港そごうは通常22時の閉店時間を現在23時まで延長し、かつ次の週末はそれが午前0時になり、大晦日を含む年末三日は午前1時まで営業するとのこと。我が団地のスーパーも夜12時まで開いているようになった。こちらは便利で有難いが、ここまでくると何だかわけもなく心配になったりもする。
■では、そろそろ本腰をいれます。
■ふと浮かんだ疑問メモ:「さもないとあっしらは全員島流しの目に遭うんでごぜぇやす」の「さ」と「さほどのことではない、心配いたすな」の「さ」は同じ「さ」か?そして漢字は「左」か…と思ったら違った、「然」なのか?つまり「さにあらず」の「さ」でござるか?いや、違うのか?

[1-4]
■忙しくなってきた。来週金曜から10日ほど休みをもらう前倒し分+今月は決算月なのである。決算直前に旧正月なのか旧正月なのに決算なのか、ともかくあれこれどたばた中。時間やりくり術をいいかげん会得しないとお先真っ暗である。とりあえずめも日記で2月スタートッス。
■月曜日:父のデジカメ購入計画が明らかになる。娘の会社の親会社の社販に期待していたようだが、あいにくF社にはそういうありがたい厚生待遇は無いので諦めさせる。
同僚の新妻E嬢が会社のPCに「天空の城ラピュタ」の静止画スクリーンセーバーを入れていたのでわけてもらう。韓国製のフリーウェアらしい。…ラピュタの画像使いまくりでフリーってありですか?
■火曜日:深夜残業。午後11時過ぎ、オフィスに大家のStephen氏から緊急連絡が入り、香港滞在三年と八ヶ月目にして初めて犯罪の被害者になったことを知らされる。実被害額は0香港ドル、コトは既に大家氏が処理した後の報告だったので、こいつは日記の特ダネが出来たわい、と初めはのんきに構えていたが、よく考えるとうっすら命が危険かもしれず、引越を検討するかどうか迷い始める。
■水曜日:11トンの巨大ゴミ回収車が無人のまま暴走、通りがかった大学教授夫人が巻き込まれ危篤、という事故が発生。生々しい写真が朝刊各紙一面を飾る。
先週からツアーでアラスカの奥地にオーロラを見にいっていた母が帰国。現地滞在三日間のうち幸運にも二度ほど目撃出来たらしく、60も半ばにしてそんなものを見られた彼女のその幸運と境遇が羨ましい。
新潮社編「時代小説最前線・人情の往来」(新潮文庫)読了。24編の短編中、特に皆川博子作品「渡し船」の昏く乾いた奇想味に魅かれた。
■木曜日:体調右下がり。宮部みゆき著「東京下町殺人暮色」(光文社文庫)を朝の通勤ラッシュ/昼休み/帰りのバスで一気読み。いっそ意地悪なことを云いたくなるほどのこの読みやすさは、例えば上質な綿毛布とか手入れの行き届いた内庭とか朝露がまだついたままの穫りたてのトマトに似ている。味わいが。

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