[South China Sea News]

◆JUNE 1998◆
●What is your deepest desire?●




JUNE 1 (mon.)
Wish you all have a shower of grace, even if it'd change to a storm.

新しい月になった。 さあみなさん、大いに企みましょう、稼ぎましょう! 楽しい夏はすぐそこに! 月初めから愚痴を書くのは縁起が悪そうなのでやめました(笑)。ううう。

ほしうらないはしっている


JUNE 2 (Tue.)
Pleasant valley Sunday...

▼本日の馬鹿だなあ:仕事中に「エリソルビン酸」を「エロソルビン酸」とタイプミスした自分ににやにやしていたら買って一日目&未使用の傘を帰りのバスの中に置いてきた(泣)

▲5/31に「六四紀念(←日本語の「記念」とは微妙にニュアンスが違う)大行動」のデモが行われた。りんご新聞の報道によれば(と云ってもこういう「民主」が絡んだ話題ではとにかく誇張するのが好きな新聞なので信憑性は低いが)総勢2700人がこの行進に参加したそうだ。89年の天安門事件直後は100万人が香港の目抜き通りを埋め尽くしてデモ行進したとも云うが、さて9年の月日の流れをどう見るか。それでも2700人といえばけっこうな人数ではある。
▲6/4にはヴィクトリア公園で恒例の追悼集会が開かれるらしい。毎年開かれるこの集会は、一面では中国中央政府批判集会でもあったのだが、今年は果たして如何に。

▼忘れるなと云われなくても忘れられないことはある。

西米露を食べよう


JUNE 3-5(Wed.-Fri.)
I yield.

▲灰色と水色。曇天と雨降り。木曜日はオフィスの引っ越しで、金曜日はその片付け。

▲本日の犯罪:(一部ノンフィクション)
外は相変わらず酷く蒸しているようだ。じっとしていると骨まで冷気が凍み入るほど冷房のきいたオフィスで、私は面倒な作表作業をようやく終え、頭を上げた。外気温と室温の差が大きく、ガラス窓の外側は大雨に打たれたように一面露で濡れている。珍しく静かな午後。同僚たちの私語も聞こえてこない。耳に入るのは、卓上計算機を叩く固い音と自分のPCが唸る低いモーター音だけだ。それもどこか遠いところからくぐもって届くような気がする。やはり外は雨が降っているのだろうか。
私はパントリーで熱いコーヒーを入れて席に戻り、サイドデスクに置いたハードカバーの本をそっと手に取った。頻繁に受発注のやり取りをしている取引先のN氏から、「読み終わったが面白かったのでよければどうぞ」と業務書類に同封されて今日日本から届いたものだ。N氏は人当たりの非常にソフトな、というより非常に甘やかな、三十をいくつか越えているはずだがまだ学生のように見えるやり手の人物で、二度ほど会ったことがある。人なつこい笑顔と、その眼鏡の奥の笑っていない目が印象的だった。去年結婚したばかりと聞いている。こちらの本好きを覚えてくれていて、彼からこうして本が送られてくるのは今度が二度目だ。厚み7センチはあろうか、日頃文庫ばかり読んでいる手にその本はずっしりと重い。「このミステリーがすごい!1位」と大き過ぎるくらいの文字で印刷された帯が少し緩んで、深い緑色のカバーからはずれかかっている。安物のインスタントコーヒーの熱だけを味わいながら頁をめくると、上下二段組みにびっしりと組まれた活字の海から「女」「恐喝(ゆすり)」「金」といった刺激的な言葉が何度も眼に飛び込んでくる。
結末を読んでしまわないように本を閉じかけたところで、薄い紙片のようなものが頁の間に挟まっているのに私は気づいた。恐らくN氏が読書中にはさんだことを忘れて、そのままこちらに送ってしまったのだろう。何の気なしにそれを手にとった私は、カップを持ったまましばらく手の中のものを見つめた。
若い女のスナップ写真だった。着ている制服の色からして、彼と同じ会社の女子社員だ。細君だろうか、と考えたが、N氏が共働きとは聞いていない。無防備にカメラに向かって笑む女の白い歯が、私のどこかに何かを囁く。
ファックスから着信を知らせる音が響いた。私は机に向き直り、仕事を再開する。メールソフトを起動し、登録してある宛先からN氏を選ぶ。本の礼を伝える文面はこんなものでいいだろう。
「ぶつハ預カッタ。コッソリ返シテホシクバ来月ノ発注量ヲ5こんてな増ヤセ」
N氏から慌てふためいた返信メールが届いたのは、その翌朝のことである。

▼去年の6月4日も雨が降っていたような気がする。気温29度、湿度95%。夜半には雷雨。六四追悼集会には4万人が集まったという(主催者側発表)。

▼それは、ローテンションとストイシズムと嫉妬と雑言の母子関係でしょう。

きりぎりすのふぃりっぷさん


JUNE 6-7(Sat.-Sun.)
See time goes with seasons.

▼土・日二日間とも、喉や鼻がもやもやけほけほしっぱなし。いくら寝ても休んでも良くなる兆しが無いので、風邪薬を飲む。寝過ぎでなかなか眠くならないはずだが薬のおかげで眠気がやってきて、これはもしや一石二鳥(笑)。

▼一昨年解散した地元のポップ&ロックバンド「太極」のG&Vo.担当だったJoey Tangを久々にテレビ番組で見かける。相変わらず爬虫類な顔だしどう考えても独り立ちできるヴォーカリストじゃないけれども、元気そうなので一安心。

▲本日の朗報:6/13(土)からTVB(Pearl)で「X-Files」新シリーズ放映開始予定。怖いものは全般に大の苦手なのだが、「X-Files」だけは平気だ(何故ならモルダー捜査官にぞっこんだから(笑))。前シリーズを途中で見損なっているのが残念だが、これはビデオで補完しよう。

おうさまのかなりや


JUNE 8-9(Mon.-Tue.)
「男が一つ歳下ってことは十も二十も歳下ってことだよ」by 郷子の母

▼月曜は朝から夜までずっと雨。深夜には雷雨。気温は25〜29度あたり、湿度は限りなく100%に近づいていく。

▼「猫の舌に釘を打て/三重露出」(都筑道夫/講談社大衆文学館文庫)読了。メタの方式としては前者の「本の形」そのものをネタにしたスタイルが好み。しかしなにせ唸らされるのは「三重露出」の作中作。007というかキーハンター(千葉ちゃんッ)というか、唖然呆然大冒険。これを読むためだけでもいいからとにかく未読者は読んどけ(笑)。
週末と月曜は「OUT」(桐野夏生/講談社)と「顔のない肖像画」(連城三紀彦/新潮文庫)。前者は久しぶりの一気読み。硬い冷えたヲンナを今にも嫌いになりそうで、結局そうならずに終わったのが自分でも意外。「顔」の方は、表題作のトリック(?)に使われた小道具の形態が瞬時に理解出来ず悩む。火曜からは同じく連城三紀彦の短編集、「恋文」(新潮文庫)。

▲火曜朝、雷鳴で目が覚める。窓に激しく水滴が打ちつけられる音を聞きつつ寝ぼけ頭でシャワーを浴び、テレビで確かめたら豪雨警報の最高レベルである黒色警報(Black Signal)が発令されていた。規則により自宅待機。室内は電灯をつけないと薄暗い。一度はおさまった雷がまた近づいてきたようだ。

するってえと

▼結局午前10時前に警報は黒から紅色に。ぼちぼち支度をして出社するが、午後いっぱい酷い雷雨だった。最近青空を見ていないかもしれない。光量的にも気分的にも、何となくトンネルの中で仕事をしているような感じがする。おまけに冷房にアタったか、妖怪咳ヲンナに変身してみたり。

▼変だ(笑)。


JUNE 10(Wed.)
Aller aller aller aller...

▼ずっと雨が降っている。もうずいぶん長いこと青空を見ていないような。朝も昼 も夜も雷。

▲メルヘンなのか…。でもよくわかんないよ、むっしゅー。
で、これは順当勝 ちなんでしょうか。2点目はなんだか「あれ?」でしたが。

▼仕事上の出来事だが、諸処の事情があり久々にコトバで相手をノシてみた。しば らく使っていなかった埃だらけの金槌を押入れからひっぱり出してきてぐんぐん振 り回した時のノルアドレナリンちっくな快感。でもノサれた相手が実につまらない 反応(露骨に拗ねちゃった(笑)おぜうさんおぜうさん、そりゃダメダヨゥシゴト ナンダカラ)を見せてくれて、途端に馬鹿らしくなった。

▲旅人から電話。背後から聞こえるのはチャリタクが行き交う蔓谷の喧騒。

▲言 葉アソビは粋と艶が肝心。

けいさんふのう


JUNE 11(Thur.)
Did the monkee lie?

▲漸く雲間から幽かに陽が差したり隠れたり。およそ夏らしからぬ薄い色の蒼空。 白く濁った雲の海。暑いのに冷えている、なんとなく調子外れな南国世界。

▼知らず知らずに疲れていることってあります。気づかずにスタミナ切れちゃって たりとか。そんな時は、普段なら自然に体がはね返してくれる病の気もはね返せな いものです。皆さんくれぐれもお体大切に。

▲短編集「恋文」(連城三紀彦/新潮文庫)読了。収録された5編の中では「紅き 唇」と「私の叔父さん」がよかった。出勤時にバスの中で読んで、朝っぱらからべ そをかく。

どんな種類の文章であれ本たるモノは様々な毒を含んでいるけれど、それを口にす るのに適当な年齢、といったものは定められないと思う。10歳の少女がフランス書 院やマルクスを愛読しても、70歳のおじいさんが「なるにあ国ものがたり」や「 間の楔」(古いな)に夢中になっても問題はない。文字が読めれば文意は各人が創 る。それが本の持つ快楽=毒のひとつで、その毒に溺れるのに年齢制限は無いと思 う。ただ、「おとなになってから読んだ方が悦しめる」本はあるのだと、最近にな ってつくづく感じる。
「おとなであること」がどういうことかもまた曖昧だけれど。

▲だから早くってば。

さるをねたにあそぼうかい
(せつりつ1982ねん)


JUNE 12-14(Fri.-Sun.)
It belongs to nothing but me only.

▲週末は天気が回復して、真っ黒な影を地上に刻み込む夏らしい強い日射しが戻ってきた。日曜日の最高気温は摂氏31.9度、水温27度。海水浴もばっちりなお日和である(しかし香港の海はさほど綺麗ではない。おまけに鮫が出て毎年ひとりふたりは犠牲になる(と去年も書いたような(笑)))。

▼土曜日夜明け前から夜半まで、週末恒例の半日以上睡眠。どうやら眠ることも訓練次第でどんどん上手になっていくらしい。つくづく贅沢をしていると思う。

▼一度咳が出始めると発作的に喉のむず痒さがどんどん増していって、胃液吐くまで思いきり咳込むことはありませんか?

▲いかんな。無理がある。野宿してもらおう。許してくれ(鬼)。

【Aller aller Japon】
●キミガヨ……私は現在の天皇ご一家が嫌いではないし歌としての「君が代」は大好きだ。ただこの歌が日本の国歌だとは思わない。
●ナマエ……英語音声で観戦。いかにもBritishなアナウンサーは準備よろしく日本選手の名前をひとつひとつ覚えていたが、発音は「ヌァヌァミィ」「ノァカァツァ」「イーハァルァ」「クワァグッチィ」うーん、大変そう。そんななかで唯一楽そうだったのが「ジョー!」。(ベタなネタですみません)
●カケ……香港の地元テレビ局では試合結果を賭ける番組スポットをどんどん流している。今回のオッズは、日本が勝つとアルゼンチンが勝つ方の数十倍にもなるらしいが……。
●ケッカ……むー。善戦というより惜敗と云いたい。ディフェンダはよく守ったと思うが、しかし地力の差か。後半パスがあまり繋がらないように見えたが、どうしてなのかは詳しくないのでわからない。次戦に期待。

わるものはぼくだけさきみはわるくない


JUNE 15-16(Mon.-Tue.)
Can't be with it, can't be without it, can be without it, can be with it, can he be it?

▲一度晴れ出すとこれでもかとばかりに強い陽射しが照りつける夏天(はーてぃん )である。新しい事務所は南西の壁一面が足元までの大きなガラス張り窓で、その 向こうにビクトリア湾が広がるけっこうな海景(ほいけん=Seaview)に恵まれてい る。確かに景観はすばらしい。が、それはすなわち西日も容赦なく差し込むことを 意味している。いきおい冷房は最強レベル(摂氏5度(笑))にセットされるが、 しかしそれでもどことなく室温はぬるめである。

▼スナック菓子チックな、炭酸飲料チックな、ジャンクな言葉ばかりが自分の口( あるいは指、おそらく指の方が発言量は多い)から吐き出されてゆく。一時の美味 しさ/刺激/快感/楽/居心地良さ/キモチヨサ、それはいかにも我慢していた排 泄を許されて行う時のそれに似ている。

のびたくんが「たすけてどらえもん」と言うその言葉の醜さと尊さは、結局じゃい あんにもしずかちゃんにもわからない。修道僧のような暮らしをしないと修道僧の ような言葉を吐けないのか、というとそうでもないかもしれないが、しかし言葉は そこで彼らが持つ外見性/物理性という「本当か嘘か」の範疇から外れた性格を主 張する。(なんだどうした)

▲どっかで見た顔だなあとやっぱり思う、やってきたアイツ。暑い暑いと言うなら 何故東南アジアを旅しているのだ(笑)。

ぺろ。


JUNE 17-22(Wed.-Mon.)
He doesn't know it. That's all.

▲賄いおばさんになっていたのでしばらく更新をお休みしていました。
【本日までの主なお献立】鳥肉と野菜の醤油炒め+玉子白身蟹風味/インドカレー(マトン&野菜)とタンドリチキン/煮込み牛筋肉と野沢菜炒めのぶっかけごはん+ザーサイと細切れ豚肉入うどん/海老とセロリの炒めもの+甘から衣の揚げ鳥肉+ブロッコリーにんにく炒め/白身魚フリッターのコーンあんかけ+塩こしょう揚げ豆腐+牛乳プリン/ロブスターチーズ炒め+牛肉ときのこの醤油炒め+五目あんかけ炒飯/麻婆茄子+貝柱入煎り玉子+鳥の塩胡椒唐揚げ/北京ダック+麻婆豆腐。(確実に体重増加中(泣))

▼かれこれ二週間近くずっと妖怪咳ヲンナになっている。特に冷房のきいたオフィスに入りたての朝と、夜の寝入りばながひどい。自分でも聞き苦しくて嫌なのだが、しかし我慢も出来ず、およそ女の立てる声とは思えないようなケモノめいた声で咳込む。こんな下品な声を聞かせるくらいなら誰もそばにいてほしくない、なんて寂しいことを考えたり。
咳は体力を使うとよく言うが、おかげで近頃は腹筋も鍛えられ…と咳ごときで減るようなやわな贅肉ではないのだけれども(号泣)、ともかくハラのニクまで痛いのはどう にかならんか。

▼ずっと雨が降ったりやんだり。髪が重くなってきた。同僚からも指摘されるくらい目立ってきたGray Hairを退治するべく髪を染めにいって、ついでにじょきじょきカットしてもらった。カラーリングするとパーマがとれてしまうし、カットしたりシャギシャギしたりしたものだから、なんだかまたしても手入れして無いモップ頭に変身。ぼさぼさ(笑)。

▲あくまで気持ちのこと、コトバのこと、礼儀のことなのだ。いろいろ考えているうちにそれはもはや誰か他人のコトではなく、自分を主題にしたオハナシになってゆく。つまりは「オトナになるってどーいうこと?」なんて命題だったり。
それはねえよっちゃん、ムネガフクランダリオシリガオオキクナッタリ(以下略)

【Aller Aller Japon】
●ケッカ……詳しいことはやはりわからないのだが、やっぱりこれも惜敗なのだろう。ザンネンだった。しかし勝手な言い分かもしれないが、得点した姿を見られなかったことが、負けたことよりもザンネンだった。
ゴールを決めた姿を見たい。ジャマイカ戦に期待。

▲つまり、男の子って面白いよねえ。と、おもえるようになったり。

ちょろいふりもしてくれるし


JUNE 23-25(Tue.-Thur.)
Story 1: From the ocean to the city, something invisible covered every eyes of the earth and it was so dark, nobody could recognize there came a change, a change of we'd been afraid, a change for we'd been desiring. And five years past, he walked out from the grave. He's still melting there. He's still singing there. He's still laughing there with heardless voice of the dark.

▲マカロニの極意を亜細亜に伝道した旅人は無事帰朝されたようである。デコーダーの使い勝手は私が追跡調査いたしましょう。
【めにう続き】小龍包+麻婆茄子+鳥肉と竹の子の唐辛子炒め+おこげの剥き海老あんかけ/ラー油ワンタン+えび入煎り玉子+豚肉の唐辛子炒め/ジン&コーク

▼依然咳とまらず。まいったまいった。仕事もどっと溜まってきた。まいったまいった。

▲貴女に質問:ヲトコの気弱を許せるシチュエーションってどんな時?

▼もっと毒を持ちませふ。

▼5回目の6月最後の一週間。「もう」なのか「まだ」なのかはわからないけれど、スーパーの店内放送のスピーカーから流れてくる声はやっぱり濡れている。涼しくなったら久しぶりにお墓参りにいこう。今のモノガタリを報告したら「そりゃいいや」とにやにやしてくれるかもしれないし(笑)。

Deliberate


■DIARY INDEX■