[South China Sea News]

◆May 1998◆
●What is your deepest desire?●




■May 10(Sun.)
元気です。企んでます。でもちょっと虫が煩くて困ってるんです。あ、イルカ届きました、多謝多謝。

元気なのに病気絶好調(笑)。日曜日の午前3時から午後7時まで眠っていたので、「おやすみ」はとりあえず言ったものの、やはりどうにも眼が冴えてしまう。本を読むにはおつむの濁り具合がひどくもあり、ごそごそ某所や某方々との過去ログなどを読み散らして朝を待つ。たかだか一年や半年前のことなのに、あまりに現在と趣きを異にするやりとりの数々に苦笑したり涙したり(可笑しいからです、もちろん)して、どこかがえぐられてゆく感じ。今から一年経ったら、そしてまた同じことを想うのだろうか。


■May 11(Mon.)
とても眠い。

ビジネスの醍醐味について、或いは会社員であることのオモシロサについて、いたずらにそれらを否定する気持ちを持つのはやはり面倒です。あるいは不必要です。ともすれば自由業、フリーター、その他個人で生活を切り盛りする職業を「雇われびと」たることよりも尊ぶような、あるいはよりオモシロイものであるように表わしたり捉えたりするようなノリが世の中にどうしても存在することも否みませんが。

出来れば一緒に。


May 12(Tue.)
The nation has no national anthem.

帰宅ルートにフェリーを選んで海を渡った。本日の最高気温は31度、昨日にひき続いて蒸し暑い。夜8時を過ぎてもじっとりと湿った、しかし妙に透明度の濃い空気が潮の匂いでいっぱいになっている九龍側フェリー乗り場。一等席の左サイド隅に座って対岸の銅鑼灣、灣仔、中環と連なるネオンを眺め、首をひねるとこちら側手前に時計塔がライトアップされている。でもその上にある明りはなんだっけ…

月。
薄いくりいむ色のまるいもの。

チキンバーガーをぱくつきながら海を渡ってCentralに着いた時にまた空を見上げると、まるいものも一緒に海を越えて、今度は中国銀行ビルの三角針の上にひっかかっていた。


May 13(Wed.)
Fishy fishy fishy Fish. (sang by G. Chapman)

肉と魚はどちらが美味いか。
男と女はどちらが偉いか。
長さと重さはどちらが深いか。

美味いとは何か。
偉いとは何か。

深いとは何か。


May 14(Thur.)
You never give me your money, you gave me only some funny...

BBQ(バーベキュー)は一年中何度でも気軽に楽しめ、香港の老若男女みんなに人気があるレクリエーションのひとつ。先が二股に分かれた取っ手付きの長い串や、照りを出すために塗る蜂蜜(普通の蜂蜜よりもとろみがなくタレ的)、炭等はどこの7-11でも常備している。
で、本日は会社の平社員だけでBBQに行くことに。定時後はるばる屯門近くの海辺まで車2台で出発。実際には30分くらいのドライブだが、例えて言うなら銀座のオフィスから逗子か姉ヶ崎あたりまで出かけた様な「遠さ」感。サーモンピンクの夕暮がやがてうっとりした夜色に変わる途中、7月6日開港予定のチェプラクコク新空港が遥か彼方に見えた。
週末ではないのでがらんと空いたBBQ屋(バラック屋根の下にドラム缶を輪切りにした炉と折り畳みの中古スチール机がばらばらと置いてあるだけ)で焼いたメニュー:手羽先(辛味タレ漬け)、魚肉と野菜のつみれ、イカボール、魚肉ボール、サラミ、牛タンスライス、サテ味の辛味タレに漬けた牛肉、ししゃも、鰻の切り身、にんにく漬イカ+げそ、各種ソーセージ。他にアルミホイルで包んだとうもろこしにさつまいも。

足りなかったのはアルコールだけ。


May 15-16(Fri.-Sat.)
「なにをあるいは誰を嫌悪し、だれを称賛するかによってわたしたちは自分を示している」(Robert Coles)

■Friday
インドネシアの情勢急転でジャカルタの取引先との商談があれやこれやと騒がしい。派遣されている技術屋さんはシンガポールに脱出できるかどうか、いつ出荷を止めるか、などなど。

午前中は度々の豪雨で一時は紅色警報も出たくらいなのだが、午後に入って陽がさしてきた。7時過ぎに仕事を切り上げ、さほど蒸してもいない金曜夜のネイザンロードをぶらつく。ちょうどお祈りが終わった後だったのか、モスクからぞくぞくとイスラム系の人達が出てくる流れにまんまと巻き込まれる(笑)。
前々日Sさんの買い物につきあったおかげで優待カードが手に入った「AZONA」という地元ブランドの九龍支店を覗く。何がどうあっても夏ものスーツを手に入れないともはやこれまで、な気候になってきたからだが、どうもイマイチ。結局「Michel Rene」で、薄いグリーンがかったグレーのジャケットとスカート、黒いサテン風の光沢がある麻系の手触りのジャケット、ホワイトグレーの短い丈のジャケットとスカートをまとめ買い。

■Saturday
この三週間ほど、毎週土曜日は「洗濯しながらFF VII」の日だ。今日は3時間遊んだがチョコボファームからジュノンまでしか進まなかった(「てきのわざ」習得めざしてうろうろしていたのと「えんきょりこうげき」マテリアがなかなか取れなかったため)。この分だと夏いっぱいは遊べそうな気配でお得気分(笑)。

現在「竹馬男の犯罪」(井上雅彦著/講談社文庫)を読書中。副題?は「Being for the benefit of Dr. Kite!」とある。某所のチャットで大学生の男の子が大絶賛していたので手にとったのだが……頭の中で映像化する楽しみを最初から作者に奪われているような、あるいは過剰に与えられているような、RGB的カラー満開の世界だ。しかし非常に魅力ある舞台設定(まさしく舞台なのだが)であるのも確かで、大根本たる謎「何故&どうやって犯人は被害者を殺したのか」の力が逞しく、ぐいぐい引き込まれているところ。勿論BGMはかぶと虫ズの凧氏の唄である(特に間奏部分)。

金曜日から、クーラーをつけたまま眠るようになった。


May 17(Sun.)
「かわいそうな彼と彼女。ぼくの歌をおきき」(M. Pipin in Apple fields)

穏やかな日曜日。午後まで眠るのにはちょうどいい按配。

3年前の今頃、香港渡航を目前に実家でぼんやりしていた自分と、現在この部屋で同じようにぼんやりしている自分を比べてどこがどう違うか--- 最近そんなことをしばしば考える。しかしいちいち細かく比較する気力はなく、またそんなことをする必要があるのかないのかも、よくわからない。ただ、ぼんやりなりに感じることに、やはり全然違うのである。変わったのである。その変化に意味があるとしてそれはどんな意味なのか、これまたはっきりしないのだけれども。まあ少なくとも中国語の字幕があらかたわかるようになったので当地のテレビドラマは楽しめる(それだけかい)。
しかし本当に3年いるとは実は自分でも思っていなかった(笑)。

今日いきなり「ほしい!」と思ったもの:
「うる星やつら『ビューティフル・ドリーマー』」のビデオ(いかん、見たい!と思うともうたまらヌ)とポータブルカセットテープレコーダ(2年ほど前に某太鼓叩き氏のために安物を買ったのだが、やはり高性能のものが欲しい)。

「竹馬男の犯罪」(現在中盤。テンポもよく非常に面白いけれど……ちょっと怖い〜(泣)井上テイスト満開か)と平行して「シモーヌ=ヴェイユ入門」(Robert Coles/平凡社ライブラリー新書)に突入。


May 18(Mon.)
「ぬしゃあ年に似やわずおっせえす事がすがれていんす」(雪路)

かわいそうに、と随分傲慢な思いばかりが巡るが無駄なので黙っている。仕方が無い。

かにくんかっこいいぜ。惚れたぜ。(ちょんぎられないように)鋼鉄のテグスで釣るぜ。抵抗しても無駄だぜ。いきがいいのがそそるぜ。遠慮なくいただくぜ。ぱくん、きゅっ。 いたたたたたた(注:よい子は小学生を食べてはいけません)

はたして「竹馬男」は炉が溶けばらばらになりつつも疾走するパノラマ島の蒸気ホラー機関車であった。「シモーヌ」の方は訳文に独特の薬品臭があるが、おそらく読み終える頃にはそんなことは少しも気にならなくなっているだろう。
平行して「調達管理」のテキストと「戻り川心中」(連城三紀彦/講談社文庫)スタート。

今日のおすすめ:
杉浦日向子「二つ枕」(ちくま文庫)
特にこちら側の方に。おいらん言葉、江戸言葉にしばしうっとり。いっそ男女はこうでないとねえ。

まれに逢夜は現か夢か
稀にあふ夜は語る間もなきさんさ短夜や
よしなの思ひ浮世ぢゃな


May 19-20(Mon.-Tue.)
彼女は飢えて植物になったのか?植物になりたくて飢えたのか?

毎朝、地下鉄駅から九龍公園沿いの道を歩いて会社に向かう。けっこうな大木が生い繁り濃い緑の影を落とす場所だが、朝はいつも蝉しぐれ。時雨というより蝉豪雨。蝉爆音。蝉まみれ(いやだなこれは)。
そういえば朝方に雨が降ることが増えてきた。日中はきっちり太陽が照りつけるのだけれど(よって蒸す。とても)。

■香港初歩オタク講座
一般向け例:アグネス=チャンとジャッキー=チェンはどちらも陳さん。
ちょっぴり通向け例:レスリー=チャンとジャッキー=チョンはどちらも張さん。
誰もきいてねーよ例:アニタ=ユンとユアン=ウーピンは…(でもユン=ピョウは違うんだ…)
さてユンファとシンチー二人の周さんの綴りはChowなので英語で呼ぶ時は「Mr. Chow(チョウ)」ですが広東語では「チャウ」と「チョウ」の中間からやや「チャウ」寄り、しかもちょっと濁っているように私には聞こえます。星も「シン」ではなくて「セン」に近いでしょう。

体調不良にかこつけて仕事をさっさと切り上げバス帰宅&読書&早寝の二日間。

昨年5月18日にこの備忘録を始めて、一年経ちました。大家の紅茶王子さまに改めて感謝。そして読んでくださっている奇特なあなたに、明日いいことがありますように。


May 21(Thur.)
うさこよ永遠に

おじさまとお酒を呑んだ。おいしかった。

俺はあのだみ声の青い猫が大嫌いだ
どうして皆やつの虜になっちまうんだ
やつはそんなにうまいのか


May 22(Fri.)
君の地球が君の平和がねらわれてるぞ

今週は早く退社出来る日が多かった。今日は夕方6時過ぎにオフィスを出、会社の前の停留所から110番のバスに乗り込む。冷房のきいた車内でじっくりと「戻り川心中」収録の「桐の柩」を味わいつつ(この一遍は我輩の最大のツボを突いた、突いたというかもう「あたたたたたた」「わべし!(縦切断)」である)、海底トンネルを抜けて香港島サイドに。そごう10階の旭屋書店をぶらぶらする。文庫の新刊をチェックして何か面白そうなものがあれば買うつもりだったのだが、結果はなぜかコミックス6冊。

久しぶりに本屋に行ってみて、いわゆる超合金/スーパーロボット物関連の各種ムックや書籍、復刻/新作コミックスがどっさり積まれているのに驚いた。日本でブームなのか(だったのか)? それこそ超合金レベルの筋金が入ったドリパラ系であると自負してやまない(やめとけもういいかげん)ワタクシではあるが、なんだかおおっぴら過ぎてドキドキ出来ず、しまいに悔しい気持ちになる。それらの本の隣には、汲めども尽きぬ泉のように各種各様各シリーズごとにマルチ展開しているガンダム本が、やはり平積みされている。ガンダムは最初のテレビシリーズと「Z」とせいぜい「ZZ」までしか知らない。私個人にとっては後者ふたつはおまけである。映画も見たことはない。

ふと暴言。
ガンダムは、また他の全てのこういった鉄の城鋼の鎧金剛の艦的なものたちは、もっとせつなくあらねばならない。ごく特殊な場合を除いて、メディアに記録され印刷され繰り返し再現されいつでも愛でられるような存在であってはならない。放送開始直後の雄々しいテーマソングのイントロから次回予告終了後の「この番組はご覧の各社の提供でお送りいたしました」までの30分弱に、息をこらし手に汗握り思いの限り集中して見入り見惚れるものでなければならない。彼らは日常の狭間に不意に(時報とともに)荒々しく立ち現われるブラウン管内の異世界/歌舞伎/叙事詩/紙芝居の主人公であり、たまたま放映時間に停電になれば二度とは見られず、一度見逃したら再放送されない限りもう一生お目にかかれない希有なもの、マレなもの、つかのま通り過ぎゆく異形の戦士たちとして恐れ崇められる存在であらねばならない。その幻の鬼神の姿をせめて形にとどめたのが超合金なのであって、超合金で戦わない奴は超合金を所持してはいけないのである。

変身ヒーローものはまたちょっと違う。(暴言終わり)


May 23-25(Sat.-Mon.)
6000。

土曜日の朝から日曜日の朝まで眠った。

日曜日の午前も痛み止めを飲んでダウン。

日曜日の午後にのんびり復活。お洗濯とFF VII。アンダージュノンからコレルプリズンまで進む。ストーリーにはまだまだ飽きてこない(もともとこういうおセンチ系が好きなのだ)が、どうもマテリアの管理だけは面倒だ。もっと種類が少なくてもよいと思う。

月曜日の夜、帰宅後の午後10時前。それまで何度かチラシのような通知文書はポストに入っていたが、放っておいたらいつかは来なくなるのかと思っていた「総合住戸統計調査(←ちゃんとした中国語)」の調査員のおばちゃんがとうとうやってきた。質問内容は、氏名、職業、電話、この部屋の家主か店子か、勤務先の業界、収入、居住期間、家賃、最近出国したか、出国先でいくら使ったか、最近中国に行ったか、最近タクシーを使ったか(何故?)など。回答はマークシート風の記録用紙に書き込まれ、データをコンピュータにインプットした後記録用紙は破棄されるそうである。どうやらこの調査は政府の統計署が毎月ランダムに摘出した住居の住人を対象に行っているらしい。追加調査のため3カ月後にまた別の調査員がやってくるそうだ。
ちなみにおばちゃんは「あなた、この収入でこの家賃は高過ぎ。早く引っ越しなさい」と親切に忠告してくれた(わかってらい!)。

今日の杞憂:新日プロレスカードに愛しいあの人は入っているのだろうか……(泣)何故泣くアタシ!涙はあのひとに一番似合わないっっ(←馬鹿)


May 26(Tue.)
Do you really know where you are?

カップの中の冷えたコーヒーの表面にちいさな虫がぽつんと溺れて浮いている。かわいそうなちいさな彼をスプーンで掬って捨てる。さてこの後、この罪なき罪深き色の液体を飲むのに祈りは必要かしら。

本日の旅の極意:お金とパスポートはなるべく失くさないこと(失くすととても面倒だから)。命は絶対失くさないこと(失くすと次の旅に出られないから)。

「戻り川心中」ラストスパート。こんな風に、綺麗に濡れるだけ濡れていて粘るものがかけらも無く、読んだ分だけひたひたとその冷たさがこちらにそよいで来るような文章が大好きなのだった。出来れば涼しい日に読み終わりたい。

さかなのいろ


May 27(Wed.)
Nobody knows the last reason of why we sleep in the night.

ここのところ数日、就寝時にクーラーをつけずにすむくらい涼しい日が続いている。だからさほど寝苦しくはないはずだが、明け方頃に決まって一度目が覚める。しかもかなりはっきり「ぱちっ」と目が開く。そのはっきりした視界で窓の外にまだ濃い藍色の気配が満ちているのを確認し、また眠る(二度寝は好きなので目が覚める理由は考えない)。胃や頭がたまにみしみし云うのを、オナカや歯や靴擦れが痛いのよりはずっとましだと思うので放っているようなものだね(もしこの3つが同時に襲ってきたら、と思っただけでもう萎え萎え←なにが)。

先の日曜日は中華人民共和国香港特別行政区の記念すべき第1回立法議会議員選挙投票日だった。当日は朝から紅色警報が出るほどの暴雨で投票者の出足も鈍かった(投票所が床下浸水でそれどころではない地区もあったようだ)が、夕刻までには雨足がおさまってきたのを機に投票率もしり上がりに伸び、最終的に53%(百数十万票)を記録したそうだ。日本と違ってこちらは夜10時ごろまで投票を受け付けていたのも最後の一票まで絞り取るのに有効だったようだ。
しかし今回の選挙は成人した市民全員に選挙権があるのではなく、前もって「私は投票人になる」と自らの意志をもって登録した人だけが行うもので、意地悪な言い方をすれば、投票すると言ったくせにしなかったバックレ君たちが47%、半数近くもいたということになる。これは雨のせいばかりには出来ない数字だろう。
選挙結果について、リベラル派を自ら標榜するりんご新聞は「民主党大勝利!」と囃したてていたが、結局民主派/大陸系/その他、3つにわかれた勢力がほぼ均衡を保って議席を分け合う形になったらしい。返還後の香港を語る時いつも出てくる「港人治港(香港人による香港自治)」というスローガンがあるが、果たしてどこまで実現されるのやら。

本日の突如的主張(日本語訳):私は全世界の長男長女を贔屓する。全世界の長兄長姉ではないひとたちが彼らの長兄長姉に対してしばしば気付かずに取る罪無きゆえに許しがたいあれらの態度、愛ゆえに行われるあれらの非情な振る舞いを悉く糾弾する。私は「(いちばんうえの)おにいちゃんおねえちゃん」たちだけに密かに与えられる、ある種の優越と寂寥と落胆と幻想を敬愛する。

たねなしすいか


May 28(Thur.)
Two and half years after, it'll come to me and take me to the

今の会社に入って一年半が過ぎたが、直接仕事の縁が無い本社部署のことはいまだにとんとわからない。現地採用の社員にとっては本社なぞそんなものだろうと思うが、それでも、この会社(正確には親会社)にはいろいろな事業部があり、それぞれの長たる人に社内文書を送る場合、たとえば「人事部長」を「人長」と略すのが流儀らしいことは覚えた。まあ、アルファベットの略号にするよりはまだわかりやすいかもしれない。しかし「足長」(おじさん?)「紙長」(何メートル?)「監長」(制服着て鍵束持ってるのか?)……そしてナゾの「感長」などを見ると、偉さもへったくれもなさゲではある。

めるもちゃん


May 29-31(Fri.-Sun.)
迎えに来てくんなきゃだわ今度こそ

■金曜深夜、IRCにて液体神性論。認識出来ない永遠の謎たる水=液体=非個体を我々は如何に畏怖し求め掘り起こし、わざわざ固めあるいは詰めこみ、もはや流れ去らぬ神像たる固/個体として崇めるのか。私たちが抱く溺死への恐怖はいつどこで逆転し陸に上がり信仰となるのか。何故液体に神性は宿るのか。などなど。

■土曜夜のテレビ(1)「新移民」
香港政府は、香港永久居民(香港に7年以上居住していると与えられる身分証区分。いわゆる普通の香港市民は皆これに当てはまる)である男子が中国国内で結婚しもうけた子女に対し、年間わずかに数十人の枠で香港への移民を認可している(つまり父親が香港人でも大陸で生まれたその子供らの大半は香港では暮らせない。彼らから金を取り、闇にまぎれて妻や子たちを違法入境させるブローカーがいわゆる「蛇頭」である)。この正式な枠をくぐって大陸の方々からやってきた子供たちは「新移民」と呼ばれている。彼らが慣れない広東語と英語の壁にぶつかってその芽を潰さないよう、フォローする目的で開かれた学校が香港には二つだけある。そこで学ぶさまざまな年齢の子供たちの表情を数ヵ月に渡ってそのまま記録した、香港には珍しく地味ながら秀逸なドキュメンタリ。彼らは明るく屈託なく、幼い目で見た香港への思いをテレビカメラに素直に語る。「前に香港をテレビで見た時は綺麗だなと思ったのに、来てみたら、街でごみを平気で捨てるひとがいた。びっくりした」「言葉はわかんないけど、大きくなったら故郷に帰って儲ければいいと思う」「僕の潮州語わかる?」「将来は医者になりたい。国語と数学は得意」「友達がいるところならどこでもいい。遊べるから」「香港、大好き!大好き!」←これが何故か非常に印象深かったので。

■土曜夜のテレビ(2)GODZILLA at「銀幕空間〜 The chicket」
アジアの殆どを受信圏内におさめる衛星放送STAR TV。香港では大概の団地/マンションならアンテナを設置しているので無料で(もちろんアンテナ代等は分割されて月々の管理費で回収されているのだろうが)受信することが出来る。チャンネルは「world(英米のテレビドラマ主体の英語チャンネル。ひたすら地味なイギリスのホームドラマなぞたまに見るが、目的は内容ではなく小道具。例:「ああっこの小花模様のティーポットカバー!(激萌)」など)」、「sports(サッカー、ラグビー、クリケット、F1、WWFなどを英語ないし中国語で。日本のW杯出場決定の試合は中国語実況で選手名はとんとわからなかった)」、「鳳央台(北京語チャンネル。日欧米および大陸制作のドラマやバラエティ、時事解説に経済番組、と幅広い内容。何故かホストに気の強そうな中国美女が多い)」、そして24時間英・中のMTVやインタビュー番組が流れる音楽ステーション「channel V」がある。「銀幕空間」はそのchannel Vで毎週土曜夜に放映中の最新映画情報番組。今週は現在アメリカで興行収入トップ1(なんですか?)の「GODZILLA」の映像を一部紹介していた。(以下大したネタバレではありませんが一応反転)
番組中紹介された制作スタッフのコメント:「(初代ゴジラを製作した)50年代の日本の映像技術では表現不可能だった部分を、最新のCG技術で実現させたかった」のだそうで、確かに画面は異常に精密で精彩があり、物量的迫力はこれぞハリウッド、当然ながら凄まじい。海から現われるシーンの巨大な水面の盛り上がりにはテレビ画面で見ていてすら圧倒された。「あああっ!じっ、じっちゃん(←釣り人)、そいつはゴジラなんだよぅ、はやく逃げろ!はやくぅ〜〜〜!(号泣)」思わずじたばたしちまったぃ。だがしかし、身も蓋もない言い方になるが、ゴジラそのものはその体型といい顔といいジュラシック=パークの恐竜が100倍の大きさになって街にやってきただけ的印象がぬぐえない。ゴジラは恐竜じゃない、いや、確かに巨大なトカゲ系クリエイチャではあるけれども、その無表情な面のどこかにかすかに意思/人性を感じさせて(あるいはこちらに感じたくさせて)こそのゴジラ(やモスラやガメラや……)ではないのかしらん……ゴジラの物語のどこか一番始まりの部分、奥深い根の部分にある「放射能への恐怖」(こうして言葉にしてしまうと陳腐である)を本当に知っているひとは、もう映画スタッフの中では極少数なんだろう。それはいいとしても所謂「怪獣」が持つあの独特の存在感、どろどろと渦巻く巨大な異形のモノへの畏怖、言葉の通じない「意思ある存在」へのもどかしさなどは、この映画に期待出来るのか否か(そんなものを期待するのは怪獣好きの日本人だけか)?ちなみに彼(いや、彼女?)は妊娠しているらしい。街には巣を作りに来るんだそうです。ううむ。
当地では6月中旬以降封切予定。もしかすると重い腰を上げて見に行くかもしれない(←結局単なるSFX好き(笑))。

■週末恒例FF VIIは、コレルプリズンからゴンガガをスキップしてコスモキャニオンに至る。なんとかユフィを仲間にせずに進む方法はないだろうか? 今日たまたま電話してきたヒロくん(いいかげん身を固めたら?と互いにつっこみあう同い年の従兄弟)によれば「最後のシーンだけ疑問が残る」そうだが、はたして。

やあ、あっというまだろうなあと思っていたけれど本当にそうだった。5年なんて短いね。また6月が来たよ。

ひやしあめ




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