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南 国 備 忘 録
Nothing related to South China Sea regional/political issue.
Written in Japanese only.
diary index

22/MAR/02

いつだかに古本屋で購入したとおぼしき『知的新人類のための現代用語集』(ぼくらはカルチャー探偵団編/角川文庫)を読む。発行は1985年(昭和60年)、17年前です。まえがきは浅田彰。それぞれ執筆は「風俗」が田中康夫、「音楽」が渋谷陽一+北中正和、「思想」が中沢新一、「文学」が高橋源一郎、「芸能界」は中森明夫で「ノン・ジャンル」は泉麻人、など。執筆されている内容よりも執筆者そのものの「今」と中途半端な「17年前」を比べるのは、しかし面白いかどうかわかりませんが、とにかく昭和末期の匂いがてんこもりで、それは楽しい。ぱらぱらと読んでいて気がつくのは、「オタク」という言葉が登場していないこと、「ナウ」という言葉が原始の意味でまだ普通に使用可能だったこと、サントリーと西武グループが力強かったこと(東京では)など。PCもケータイもオウムもJリーグもDVDも無い時代・昭和末期・80年代半ばから終わりの、あつぼったさ(「野暮さ」、あるいは「まだ生きていたさ」)が懐かしい。しかしそれはアナログ的/読売ジャイアンツ的、あるいはレーガノミクス的(←この「○○的」てのは平成的)に物凄く分厚い子宮壁だったのか否か。

あの頃の、ちょっとだけ頭が良さそうだったパルコやラフォーレは今も生きているんでしょうか。


21/MAR/02

一心不乱に冷凍庫の霜取りをする三十路ヲンナって、世間的にはどれくらいダメなんだろう。ものすごくダメっぽい。かなり許されざる存在なんじゃないだろうか今のアタシ。と、深く真剣に考察しながらも「ち、溶けやしねえ」とミニ包丁で霜を殴り続けるうららかな南国の午後です。もうすっかり半袖。湿度はまださほど高くなく、たいそう過ごしやすい。

世間を風靡するさまざまな「100の質問」のリンク集。世の中で稼動中のヲタジャンル一覧としても使えそうな気がする。どうでもいいけど里中受ってナンダヨと思って読みにいったらほんとに里中受だった。

霜は、電源を切って扉を開けっぱなしにしておいたらすぐ溶けました(metalでdefrostingすんじゃねえ!と冷凍庫の扉に書いてあった)。シンク周りをぴかぴかにした。冷蔵庫の中もからっぽにしてアルコール(←日本酒という名の)で拭いた。食器類を整理。大学一年の頃からずっと手許に置いている皿2枚(吉祥寺で買った無名の品。若くて可愛い糸井重里がいた時代、アラレちゃん眼鏡の女子大生が持ってそうだったニンジンの柄)は、また一緒に海を越えることになる。


18/MAR/02

蕎麦屋で蕎麦を肴に酒を呑みたいデス。

夜食をとりに食堂に行ったら顔なじみのおねえさんが(いつもはそんなことないのだが)張り切って「魚どう魚!魚食べない?魚!」と薦めるので、なんだかわからないままウォンファーと呼ばれる白身魚を蒸してもらう。はらわたを抜いた姿まるごと(生姜の千切りを載せて)蒸しまして、仕上げに醤油油をざっとかけ回したのが「清蒸」と呼ばれる料理法、今回もそれ。元魚屋の孫娘のくせに魚に全然詳しくない自分には、この魚に和名があるのかどうかもわからない。全長25センチ程度のウケグチなそいつの身は箸を入れたらふわふわと揺れ崩れる、いささか柔らか過ぎるくらいでしたが、カマの部分はなかなか美味しかった。醤油油をあったかい白御飯に乗せてかっこみました(これが美味しいんだなー)。我一定miss這個味道。

あと10日でほんとうに荷物が片付くのか。どうも恐ろしいことになりそうデス。


17/MAR/02

マカオ美術館庭園に残る砲台 極めて稀にしかテレビドラマや邦画を見ないのに、渡辺いっけいという俳優さんが妙に好きでたまらず、しかし改めてどうしてなのかと考えてみたら理由が思い出せない!怖い!

大昔、小倉一郎さんも好きでしたがやはりこれといった理由がなかった。他に理由がよくわからないけれど好きな俳優にケビン・ベーコンがいます。渡辺いっけいと小倉一郎とケビン・ベーコンに共通するものってナニ、これはしばらく懐に入れておいて、ときどきうらうらと考察するに楽しいthemeなり。好きなものに共通する何かをきょろきょろ探すゲームは面白いです。例:林檎と葡萄が好き→それは適当に固くて柔らかくておとなしい獲物が自分の歯に齧られて甘酸っぱい汁を叫ぶのが好きだから。アジアの都会のぐちゃぐちゃした喧騒が好き→それは紛れ込むむずがゆさが好きだから、などなど。

写真はマカオ美術館(Museum of Macao)屋上の砲台跡に残るポルトガル軍の大砲。美術館そのものが砲台跡地にそのまま作られていて、石垣や塔などはポルトガルがマカオを植民地化した当時のそのままに残っている様子。大砲は海の方向に向かっています。

(財)放送番組センターに行くと『ハレンチ学園』がタダで見られる模様。帰国したら一度遊びにいこうと思います。


15/MAR/02

春は早くも去り初夏の舌がのろりと空から垂れたかの如きナマヌルイ気温、夜になってものっぺりした空気が開けた窓から侵入ってくる。クーラーをつけたくなりましたが我慢中。すこし苛々する。とにかくモノを棄てて大掃除をして引越荷物を造らないといけないのだけれど、7年かかって溜め込んだ有象無象のガラクタたちを前にどうしても手が進まない。進まない分だけやたらと苛々する。で、「なんだろうかこのひとは」と自分を眺めて茶をすする。

お茶を飲むとすこし落ち着きますね。そうして、おいしいサンドイッチ(バターをたっぷり塗った白パンに鶏ハムとトマト、マヨネーズあえの玉子、バケットにきゅうりとレタスとアスパラとアボカドにセロリ+塩胡椒と少しだけビネガー、ぐらいの)と保温水筒に入れたお茶を持ってピクニックに行きたくなる。いいですなピクニックは。いかんせん、香港にはハイキング・トレッキング向きの場所はたくさんあるんですが、ピクニックとなるとどうも思い浮かびません。代々木公園とかハイドパークとかセントラルパークのような場所は無くて、フラミンゴがいたり温水プールがあったり茶器博物館がぽつんと佇んでいるような公園ならあるんですがの。

道は遥かだけれどもやっぱり目指そう、と思えるものがあるのは幸せなことでございましょうか。てゆーか「幸せ(幸い、あるいは幸福)」とはなんぞや。なんぞやと問うその答えであるところが「意味」であるとして、そもそも「意味」とはなんですか。「意・味」という漢字二文字を以って現代の「意味」という意に当て嵌めたのは何処のどなたさまですか。


14/MAR/02

ムネオおじさんはどうでもいいから、シャロンじいちゃんとアラファトじいちゃんをとにかく早いところどうにかしてください神様。

遅れ馳せながらビデオで『溺れる魚』を見た。至極まともな映画だと思っていたので、クライマックスの坂道ずりオチっぽさには笑ったけれども、どうせならもっと弾けちゃえばいいのになあ、といささか欲求不満ナリ。『TRICK 2』もビデオで鑑賞中。何周だかわからないけれど周回遅れで堤幸彦ワールドを追いかけている形(でもきっと『ケイゾク』は見ない)、どこかがガコーンと「スン抜けて」いるものは大好きなんですが、どうなんだろう堤作品というのはそんな風でありましょうか。検索で『!(ai-ou)』も堤監督作品だったことを知り、「ふうん?」なところ。

引越が終わるまでじっくり本を読んだりものを書いたり出来そうにない、でも引越が無かったとしてもなんだか落ち着きに欠けた「ぼんやりべったり」具合で、春の厭なところと言うのはそのあたりです(しかも湿気が篭もるようにそれは重い)。せめて夏のようにはっきりとメリハリがあれば鬱めいても甲斐がありましょうものを(とか言いつつも気楽な暮らし)。


13/MAR/02

3/11-12のまぬけな顛末メモ:
Causeway BayのSTBUXで呑気に新聞を読んでいるうちに、テーブルに置いていた手提げ鞄を丸ごとすられた模様(新聞を読み終え席を立つ時までまったく気がつかず)。鞄の中身は、パスポート、IDカード、クレジットカード2枚、銀行のキャッシュカード、ANAのマイレージカード、レンタルビデオ屋のカード、現金、Octopus Card、大家さんの電話番号メモに家賃振込記録、携帯電話、自宅の鍵、スケジュール帳、ペン。一時的に丸腰の無一文になった実感がわかないまま、店員さんに「鞄がなくなっちまったですよ」と告げる。通報で聞き取り調査に来た警官(←やたら人が好さそうなおにいちゃんたち)がすぐにカード会社の番号を調べてくれ、その場で店長さんの携帯電話を借りて、とりあえずクレジットカードとキャッシュカードのサービスをサスペンドする。店長さんが自分の財布から貸してくれた100ドル札2枚をポケットにつっこんで出発、まずコンビニでガムとボールペンを買って小銭を作り、公衆電話から番号案内に電話して、日本領事館の電話番号を調べる(メモはレシートの裏←いきなりケチ行動開始)。パスポート再発行には警察が発行した紛失届が要るので、次いで警察に電話して場所を聞き(メモがレシート表裏いっぱいに)、Wan Chaiへ地下鉄で移動(「ち、高いぜ」と愚痴る←すっかり貧乏旅行精神が復活)。湾仔警署内のタダ電話で近所に住む友人の会社に連絡し携帯番号をメモ。紛失届をもらってAberdeenに帰る。不動産屋で尋ねた大家さんの連絡先がFAXになっていたので、友人の携帯を連絡先にして「鍵を紛失したのでスペアキーをください」と不動産屋のお兄さんにFAXを送ってもらう。幸い、出先にいた大家さんにすぐ連絡が回り、さっそくスペアキーを持ってきてくれて、家に入る(ラッキー。泥棒さんは来ていなかった)。しかし鍵と一緒のパスポートの備考欄に住所が書いてあるので、用心のため翌日玄関扉の鍵を交換する手配をしてから、夕食。友人から2000ドル借り、当座をしのぐことに(持つべきものはなんとやら、このへんでようやく人心地がつく)。夜、携帯電話会社に電話してサービスをサスペンドする。翌日午前に玄関の鍵を交換、550ドル出費。領事館に行く仕度をしていたところにカード会社から電話が入り、「あんたの鞄が忘れ物としてみつかったって連絡がこちらに入ったわよ」とのこと。STBUXから徒歩15分ほど離れた先の食堂・美心快餐に泥棒さんたちが置き去っていった模様。さっそく食堂の連絡先を聞いて電話をかけると、パスポートやIDカード、クレジットカードが鞄の中に残っているとのこと。お昼時のごったがえす店内(だったのでそこでお昼を食べた)で鞄を回収。換金できる携帯電話と誰でも使えるOctopus Card、それに現金以外は丸ごと残されていた(足がつきそうなものには手を出さない手堅い泥棒さんだったようだ)。領事館に電話し、特に汚れたり破けたりしていなければパスポートはそのまま使ってよいことを確認。次いで警察に電話し、紛失届の番号と戻ってきたものを報告。STBUXに立ち寄り、借りていた200ドルを返す(どうも香港STBUXの店員さんは皆ノリが米国風であり、応対してくれた副店長のおねえさんも身を捩るようにして「話は聞いてるわ!災難だったわねん!」と気の毒がってくれた)。残りのお金で携帯電話ショップで新しい電話機を買い、サービス再開を申し込む。銀行に寄り、クレジットカードの再発行取りやめの届け出を出す(新しいカードを発行してもらうと手数料がかかるのだ)。キャッシュカードの再使用確認が取れるまで、まだ現金は下ろせない。水やパンを買ったら、手持ちの現金は残り50ドル。

やれ、香港生活7年弱の最後の最後にスリに遭うとは、どうにもまぬけな話で面目ないですわね。知らず知らずに気の弛みが出たのかもしらん。まあ、ケータイは数字ボタンのプラスチクカバーが剥げてちくちく指にささるようなボロだったし、Octopus Card(JRのスイカみたいなもの。地下鉄、バス、鉄道、フェリーに共通して使える他、電話もかけられるし、コンビニやスーパーでは残高以内なら買物も出来る)は残高1000円ぐらいだったので、たいした被害でもなし。一番痛いのは銀行から下ろしたばかりの現金だけど、これはもう仕方がありません。パスポートはとりあえず使えるし、せめて同じ「不注意」でも、火事を出しちゃうとか、ひとを怪我させてしまうような、他人様に迷惑をかけるような不注意でなくてよかった、と思うことに。

実は、香港で以前にもお財布を落としたことがあったんですが、その時はまるごと(現金も無事で)警察に届け出があって戻ってきたんです。せちがらい社会だとよく言われる香港で、なんとも親切なひとがいるもんだなあと思ったものですが、今回もずいぶんいろんなひとに助けてもらいました。ポケットマネーを貸してくれた店長さん、仕事をSTOPして警察を呼んでくれた店員さん、大家さんに連絡を取るため何の稼ぎにもならないのに急いでFAXを書いて送ってくれた不動産屋さん、見つかった鞄の中身を見てすぐカード会社に連絡してくれた食堂のおじさん、等など。

ところで私服の女刑事さんはほんとに普通のおねえさんな格好で現われました(てっきり店の客だと思った)。すうっと近付いてい来たかと思うと、耳元に「私は警察のものです。あなたが鞄を盗まれたひとですね」と囁かれた時は、自分の状況を忘れてちょっくらアタマに血がのぼったス。いやもう、ほんとにかっこよかったんだってば!


11/MAR/02

たいへんたいへん!パスポートをなくしました!お財布もケータイもカードも!

香港映画より映画っぽく現れた私服女刑事に感動!そして明日は日本領事館へ!
(まぬけな「海外無一文体験」でハイテンション)


6/MAR/02

16ヶ月ぶりぐらいに(うへえ)foods grade-Bに追加。牛乳ぷりんと豆腐花。

そんなにたくさんの著作を読んでもいないし、とりたててファンだったわけでもないけれど、半村良氏の逝去はかなりショックだった。そしてリンドグレーンも(既に新作をものす境遇からは離れていたけれども)とうとう逝ってしまいましたよ。南無。

いくら実家が千葉県内だと云っても、夜ごはんが塩煎りピーナツってのは女としてどうなのか。ていうかもうこの家で包丁とガス台を使うことは一生無いぜ。お湯は電気ポットで沸かすぜ。


2/MAR/02

ランタオ島の大仏さまのお顔。逆光…。 でけー!でけえよ大仏!

大仏が金ぴかというのは嘘っぱちでした。香港島の隣に浮かぶもうひとつのデカい島・ランタオ島(英語とは思えない名前だけど、漢字の名前は別の発音。はて由来は如何なるや)。島の北辺にチェプラクコク新空港があります。大仏は島の南側の山中に在る「寶蓮禅寺」というお寺の境内(というにはいささか広すぎる)の丘の上に数年前建立されたらしい。この「世界一大きい」大仏(東洋一ってことは畢竟世界一なんでしょうたぶん)の足下へお参りするには、二百数十段の階段をまっつぐ登らないとなりません。なかなか柔らかい、まったりと優しいお顔の仏様です。指一本が大人ひとりぶんくらいでしょうか。

大仏周囲。標高900Mを越す鳳凰山。 大仏さまの足下から、標高900+何十メートルの鳳凰山方面を望む。山のふもとには人造湖があり、その一段下はすぐ南シナ海。山頂に続くトレッキングコースがありましたが、平日ということもあって、火星みたいな裸の山を歩くコースに人影はなし。香港島・中環からのフェリーが到着するMui Woの波止場近くの小さな砂浜も人影がなく、正に「ひねもすのたり」な風情を満喫。海の色は白湯で薄めたバスクリンみたい。南海のマリンリゾートのあの色とも少し違います。

週末直前、尖沙咀のGreat Eagle hotel地下にあるアメリカンシーフードの店「Bostonian」で牡蠣三昧の夕餉。アメリカ産の大きくて甘いフレッシュオイスターを1dozen3人で山分け。生、ほうれん草とチーズ+ガーリックでbaked、チーズパウダーとベーコンでbakedの三種類ともたいそう美味なり。他にエスカルゴや伊勢海老、ホタテにチキンなどを辛口の白ワインで頂く。話題は「年下ってどうよ?」(←牡蠣を食う女たちが語るに適当なtheme)、デザートはふかふかのチョコスフレwith cream。

2ch「手軽に作れる自家製おつまみレシピ♪♪♪」(゚д゚)ウマー。


24/FEB/02

水がなくなったので仕方なく買いに出る暮らし、最近の朝ごはんはいつも昼を兼ねていて、だいたいクノールの即席クリームスープにフランスパン(それじゃ拙かろうと奇異(キウィ)も買ってみた)。丸一日ひとことも他人と口をきかずに過ごすと顎がうまく開かなくなる。一日に何度か、がきごきあぐあぐ動かさないとなりません。

ここ数日のあいだに、イギリス映画を3つ、ビデオで見る。『チューブ・テイルズ』『リトル・ダンサー』『ベルベット・ゴールドマイン』。『チューブ』はロンドンの地下鉄を共通の舞台にしたショートフィルムのオムニバスで、現代風の短編小説集を読んでいるが如し、大袈裟な笑いも皮肉もカタルシスも無いかわりに安過ぎる薄っぺらさもあまりない、地味なツイードのコートと冷えたアスファルトの匂い、いささか不条理テイストが混じっているのも好き。誰かと一緒にではなくひとりの部屋で、木曜日の夜9時半ぐらいからぼんやり見るのがいい感じ。お飲み物は部屋が寒くなければビールかシュウェプス、見終わった後は熱いお茶、すこし薄目がよさげ。

『12モンキーズ』も漸く見た。テリー・ギリアム監督作品は数年遅れでおいかけております。目下のところ楽しみなのは、脚本のねじれ具合よりも、物語に登場するガジェットの濡れ具合・湿り具合ナリ。『ブラジル』の、タイプライターと旧式コンピュータが融解したようなアレ、『12モンキーズ』にも共通するけれども、鉄ないし錫でこさえた裸の機械(これは変、機械は本来いつも“裸”である(カバーは“機能を付与された服”ではなく、機能そのものである)がしかし。どうも「裸の機械とそうではない機械がいる(“いる”。“ある”のではなく)」気がしてしょーがない)の群れ――の、冷たい淫靡さと申しますかネ、つまりちょっとエッチなんだものサ。どこかで屍姦(あるいは屍体に対して行う戯れ)に通じている気がする、凍える直前の、もうとっくに冷えたけどまだ固まりきっていない肌に釘や螺子を差すようなエロ。ビニールの窒息性、旋廻する大きなファンのギロチン性、黒い受話器が持つ「どこかへ連れていかれる」性、蔓のように延びたワイヤの繁み(女性の陰部を護る繁みのような形状)、などなど、即ち瘴気を産む胎の膨らみ(でも実はなんにもナイヨ)、みたいなもの。

マカオの道路名表示板 ディナーにお呼ばれしていった先で、ココナツミルクの冷製プリン、なんとなく「椰子花」とでも呼ぶべき美味しいデザートを頂く。ココナツミルクと牛乳と砂糖をゼラチンで柔らかく固め(檸檬ソースを固まる直前に入れるそうだ)、シロップは甘い桂花陳酒入り、仕上げに檸檬のスライスとミントの葉を散らした一品。その他に鰆の桜煮やらドイツのさくらんぼのお酒を入れたフルーツポンチやら、桜餅やら、まあなんとも春めいたご馳走でありがたいことでした。

旧正月が明けてからずっと暖かく、もう冬は終わった模様。で、写真→はまったく春とは関係なく、マカオで撮った道路標識。ポルトガル語では北京をpequimと書くのでしょうか。赤帽的物体はでっかい郵便ポストでした。そして明日は香港の離島におわします大仏(東洋で一番デカイらしい)を見にゆく予定。全身ぺったり金色らしいが、はたして。


19/FEB/02

映画を見て本を読んで珈琲を飲む。ビデオを見て本を読んで紅茶を飲む。煮詰まりながらテキストを打ち(そしてエロ小説家を尊敬し)、ネットを流離い昆布茶を飲む。かくして徐々に曜日の感覚どころか日付の感覚まで失って、はて、どうも高等遊民ごっこが上手くないのは庶民の出自ゆえいかにも仕方が無いとしても、何か重要な案件を忘れている気がしてなりません。ともあれいつまでも真っ赤なものを置いてもいられないので、写真で誤魔化す作戦に出る。旧正月中に拾ったscenery。

ちびしし Hotel Inter-continental(以前のRegent hotel)の、ロビーのテーブルで客に向かって睨みをきかせていた小さなお獅子さん。日本のお獅子とは随分顔が違うです。奥に映っているオレンジの小粒は「桔仔(かっちゃい)」。小さな蜜柑の親戚。当地ではこれを山ほど成らせた植木鉢を、日本の門松と同じくビルや団地の入り口・門口に置きます。桔の字は「吉」に連なり橙色は黄金色に連なるめでたさ哉。ホテルやレストランなど更に広いロビーがあるところでは、紅い利是袋(らいしーふぉん/お年玉袋)をたくさん枝にぶら下げた桃の木を置いたりもします。

半島酒店ロビーでケーキ…味はふつう…。 Peninsula Hotelラウンジのテーブルにもお正月の飾りが。純英国コロニアル調の内装に似合う似合わないはこの際関係ない模様。時節柄観光客や地元のおでかけ客でごった返しているのはともかく、抹茶ケーキまで置いてあったりして(おそらくニホンジン観光客向け)、「嗚呼Peninsulaよ何処へ行く」ではありますが、それでもやはりラウンジは圧倒的に雰囲気がある。かなうなら人がいない夜にふらりと訪ねるのがよいです。もちろんひとりではなく、出来れば三人以上でもなく、難しくなさそうな鶏尾酒(カクテル)を目の前で頼んでも恥ずかしくない相手と一緒に。

ビクトリア湾に上がる花火 年初ニ(農暦正月二日目・2月13日)夜には、恒例のビクトリア湾での打ち上げ花火がありました。昨年はあいにく雨もよいの天気で、垂れこめた雲の中に火の花が咲くような形になってしまったけれど、今年はまあまあ晴れて綺麗な花をたくさん拝めました。香港の煙花(いんふぁー/はなび)大会は日本のそれとは違って、30分ほどの間に立て続けにバリバリどかすか打ち上げます。花火の中に花火が「裂け咲く」ようなあんばいです。海沿いに並ぶホテルの、ハーバービュウの部屋を取ってそこから眺める贅沢もたまにはよし。


2/FEB/02

従姉妹一家+従兄弟一行の来港に付き添い、昨夜から本日にかけて、久しぶりに山頂(The Peak)に上ったり、上環で安い貝柱を求めてうろうろしたり。一行と別れた後、The Load of the Ringsこと『魔戒首部曲』の第1部を見る。小さめの劇場なれど満員に近くて驚いた。以下ややネタバレ含みます。

以前にも書きましたが、原作の邦訳『指輪物語』は私にとっては生涯一の書であり、四半世紀を越える年月このかたずっとずっと脳味噌の奥底に抱いていた幻想の土地土地が目の前に鮮やかに映像として開けてくるだけで、はやくも涙が止まらないわけです。むろん文句をつけようと思えば100kbくらい軽く書けそうだけれど(裂け谷とロスロリエンの描写が少なすぎ!とかガラドリエル様があんまりよ!とかエルロンド様怖すぎ!とかアルウェン姫積極的すぎ!とかエラダンとエルロヒアの美麗な双子は画面にいるのに喋らないし!とかやっぱりギムリごつすぎ!とかとかとか←はてさて20数年を経て一気に蘇える指輪エルフヲタ魂)、指輪を身につけた後のフロドの視界の描写は映像ならではの説得力があるし、イセンガルドやモリア坑道、裂け谷、ロスロリエンはおもいっきり“あのまんま”だし、幽鬼の黒騎士たち、サルーマン、レゴラス、メリーとピピンのキャラは殊にイケイケで嬉しい。全編3時間(短か過ぎる。半日やっててもいいぞ)の至福をもっとカラダに染み込ませるべく、いっそ毎日見に行こうかと真剣に思う。だってロスロリエンを旅立つ時、皆ちゃんとマントに葉っぱの形のブローチしてるんスよ!あ・の・葉っぱのブローチですよ?なんてこった。

子供の頃読み返す度に「なんて重たいおはなしだろう」と思ったけれど、大人になった今考えてもやはり『指輪』は相当に重い。人はたくさん死ぬし、冒険はしょっちゅう失敗ばかりだし、華々しい魔法というより渋くて痛そうな魔法が横溢していて、最後の最後まで「めでたしめでたし」にはほど遠い淡い苦味が名残る。同じように苦いと云えども『ゲド』の暗さに魅力を与えているあの独特な湿り気や艶味すら『指輪』にはほとんど無くて、もっと埃っぽく土っぽい(あるいはオーク臭い、ないしは煙草臭い)。ただあまりに世界が広大で、ひたすらその内側を歩き続ける快感の大きさたるや、比す手が無い。それだけのことかもしれなくて、それだけで充分かもしれません。

ちなみに北海道宗谷産のホタテ貝柱の干物。上環の乾物屋さんで、小粒のものが一斤(約600g)248ドル、およそ4500円でした。円安じゃなければもっと安いのになあ。


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