South China Sea News/*
January 2000
Jan 30, Sun
■せめて三日に一度は更新しようと思っているがなかなか難しい。ネタを抱えておくパワーが低下中。深く静かに潜行しているつもり。
■賀歳片『大◇家』(◇に入る漢字は、「亡」の下に「口」を書いてその下に横並びに月+月+…ともかく呪文のような字で意味は「勝つ」です)に久々に許冠傑[サミュエル・ホイ]の姿が。異界をさすらう虚ろな眼が哀しかった引退セレモニーから数年、元気でいらしたことを証す特別出演。共演は2000年の香港アイドル界をひとりで背負って立つ(かもしれない)謝霆峰[ニコラス・ツェ]くんに許冠英[リッキー・ホイ]他。郭富城[アーロン・クォック]主演のアクション物『公元2000AD』もCM放映中。欧米映画は『聖女貞徳(ジャンヌ・ダルク)』『Toy Story2』など。
■古本屋で積ん読用に少し買う。『アルセーヌ・リュパンシリーズ 水晶の栓』(石川湧訳/創元推理文庫)、『散歩のとき何か食べたくなって』(池波正太郎/新潮文庫)、『対談 美酒について』(吉行淳之介・開高健/新潮文庫)、『不連続殺人事件』(坂口安吾/角川文庫)。『水晶の栓』は堀口大學が訳した新潮文庫版もあったが、そちらはルパンの一人称が「わし」で、石川訳は「ぼく」。まだ金髪碧眼のお洒落でダンディな若者ルパンのイメージを抱いていたいので、わしわし云われて違和感を抱きながら読むこともないと思って石川訳版にした。『美酒について』は今となっては使えそうもないアブない表現がぽんぽん飛び出す濃い一冊。酒を語ればいつしか女を評し、女を描けばいつしか酒に酔う放蕩オヤジの放談。それをにやにやしながら読んでいる私は駄目な女なのかな。さても酔えば男は女を「わがままだ」と嘆き、女は男を「勝手だ」となじる。酒に愚痴を溶かしたつもりで、溶けて消えればいいものを。
■古本屋の主とおぼしきおにいさんはレジテーブルで一生懸命アニメ絵を練習していた(少し下手でした)。残念ながら平井和正はめぼしいものがありませんでした(ていうかあの辺はもともと全然在庫が無いんですけど)。週末に日ノ出町に行くしか。でも何線かわかりません。
■生活に濁りが溜まってきたような気がする。便秘めいた暮らしっぷりは人間(ひと)として如何なものかつーかとっとと新陳代謝をよくしたい。します。

Jan 27, Thur
■ぬるくなったかと思いきや、ここしばらくはまた最低気温が10度以下に。ついつい縮こまってしまうけれど、巷はいよいよ正月まで一週間を切り、ざわめきもピークに達してきた(主に歳末バーゲンのおかげで)。新暦元旦以降しばらく休止していた一部のネオン飾りもクリスマス/ミレニアムバージョンから旧正月バージョンに衣替えして再登場。と云っても「ソリにまたがって笑っているサンタのおじさん」が「龍にまたがって笑っているほてい様」になっただけで、あらかたのデザイン意匠は変わらないのだが、まだまだ厳しい不況の中でお金をかけて取り替えたその意気こそあらまほしけれ。
■寒さのあまりWin98搭載めびうす君を暖房がわりにいじっていたらフリーズ。強制終了したらSafe modeでしか立ち上がらなくなった。警告メッセージによると「何かが問題になっている」のでSafe modeにすることを判断したらしいが、どこがどうマズくなったのかわからない。あれこれいじってSafe modeからは脱したものの、今度は妙に解像度が小さくなってコンパネの「画面」設定ではなおらない。へんてこなConfigにしてしまったのでしょうか。試しにヘルプメニューから検索してみたが該当するトラブル項目は見当たらない。MS-DOSモードにして各種設定のひとつひとつを検証し何がぶつかっちゃってるのか調べてください、なんて書いてあるが、その調査方法はMS-DOSモードにすれば当然読めなくなるので事前に「プリントアウトしてください」って。プリンターを持っていないひとはそのくだくだと長ったらしい説明を全部手で書き写せということですか?誰がするか。
■Kinki Kidsの香港公演チケットは朝6時から長蛇の列が出来る人気ぶりで即日完売。それはいいがバックダンサーとしてジャニーズジュニアも来るそうだ。実は年端もゆかぬ小中学生の踊り子を香港くんだりまで送って踊らせ稼がせる素敵な出稼ぎ公演だったのだ。綺麗な男の子のひとりふたり闇にまぎれて連れてかれちゃってもしらないぞ。

Jan 25, Tue
■それなりにごはんを控えめにしたり遠くまで歩いたりしていたつもりなのになんだかカラダが重い。測ってみたら最高記録を突破していた――誰ぞ謂う、人生は贅肉に守られてありと!骨が肉に負けて死ぬなんてかっこわりー!たすけてー!からだが、からだが崩れるー!(ぐちょぐちょと溶けるばあやの絵byテリー・ギリアム)いやー!いやー!(上からハンドシェイカーが降りてきて更に撹拌)たすけてー!たすけてー!(大きな金型に流し込み、オーブンへ)むぐー!むぐー!(ちーん!手がオーブンを開けるとほっかほかの若い娘がとことこ登場)おおー!?これがあたしー?(娘、歯をむきだして笑う。上から手が伸びてきて娘の頭をつかみ持ち上げる)のおー!(娘、首がのびる。じたばたするが、首はどんどんのびる)のーのー!(ぐんぐんのびて頭だけ雲の上へ)のー!?(向こうから敵機が!ドイツ軍だわ!)娘の口、顎からがぱっと開く。中からスペインの異端宗教裁判官が髭を震わせて現れ
■さて、Kinki Kidsがアジアツアーの一環として香港でも公演を行うそうです。宣伝が既に始まり、大きなビルボードも見かけます。職場の最年少であるG嬢(花の二十歳)に「どうよ?」と水を向けると「若過ぎ。ぜんぜんハンサムじゃないし」と即刻却下されました。

Jan 24, Mon
■ある次元では革命的記念碑として文学史に燦然と輝いているはずの『▼超革命的中学生集団』略してチョーカクチュー(わあ)を探している。たしか自分自身も中学生の頃に読んだのだと思うが、この書から世に生まれ出た“ハチャメチャ”という音・言葉のcrazyぶりに初めて触れた時の私のおさるっぷりときたらかなりなものだった。平井和正。そう少なくはない若い連中が私と同じように一時期熱狂し(ウルフガイシリーズはどうあっても読まずにはいられない毒テキストだった<一部のひとにとって)、またそのうちの多くが、まだ時代が昭和であるうちにこの作家に追いつけなくなり挫折したはずだが、どこらあたりでそうなったのか記憶が定かでない。昭和末期に何が起きていたかをよく知るひとなら分析できるのかもしれない。
■『「快楽」都市遊泳術』。不良おじさん(=「子供がそのまま大人になった」のではなく、ちゃんと身も心もすすけて汚れて大人になったオヤジ)が好きなひとなら「ふふん」とすかして読めるのではないかと思うが、連載開始当時は女性読者から特に不評をかこったそうだ。10年前に「エスクワイヤ」を読んでいた女たち(どんな女だ)は不良オヤジが嫌いだったのね。本日印象に残ったひとことはこれ→「甘い酒好きな男って海賊なんだってね。」(p.19 M氏発言)
■前夜は小雨もよいだったのが朝からしとしと降り始め、夜になってもまだやまぬ。雨が降ると暖かくなるが、そのぬくまりかたがそっけなくて心地よい。会社のそばのスーパーで梅昆布茶の粉末缶を買って、20分ほどバスを待っているあいだ、ずっと雨を見ていた。しかし雨は「見る」ことがとてもむずかしい。雨を見ているつもりで、実は雨粒を照らす車のヘッドライトや傘の先の金具や青黒い空ばかりを見ている。

Jan 23, Sun
■週末は職場の送別会。ビールと紹興酒と赤ワインをたらふくちゃんぽん飲みし、翌朝は頭痛で死ぬ。赤ワインの一気呑みは馬鹿でした。いやしかし紹興酒、これはいくらでも入ります。円卓を囲んで大勢で賑やかにご馳走をいただく場合に限りますが。ふたりで呑むなら断然日本酒がいい。バーならフルーツ系の鶏尾酒、あっさりめで。
■地下鉄に登場したポスターを見ると、映画『東京攻略』には仲村トオルがまたしても悪役?で出演しているらしい。阿部寛も共演し、うさんくさげな無精髭面で拳銃を構えている。かつて香港映画における悪役日本人(というか悪役はだいたい日本人だ)の描かれ方はかなりレトロな「ハラキリ!女体モリ!ニンジャ!」だったが、最近ぐっとスマートになって「シンジュク!ギャング!ハイテク!」に近づいてきた感がある。
■就労ビザ更新。クビにならず働き続ける限り、あと2年は香港に住むことができる。その後に更にもう2年働くと、就労年数(政府に税金を払った年数とも云える)が合計7年を超える。すると「香港永久居民」の資格を申請できる。これは一般の香港市民と変わらないstatusで、何の制限もつかない居住権を持つ立場である。一度取得すると、たとえその後海外に出ても、特に何のビザも必要なく再び香港に戻って居住することができる。つまりこの資格を得ると、私は日本と香港二つの「住める国」を持つことになる。必要もないのに「今だけのビッグチャンス!あなたもぜひ加入しませんか?」と煽られて保険に入ろうか否か迷う心境に似ている(欲張りなのだ)。「住む国を選ぶ」というのはしかし、選択の一つとして有ってしかるべし視点ではある、と思う。
■『「快楽」都市遊泳術 クラブシャングリラの予言』(立川直樹・森永博志/講談社+α文庫)を読み始める。80年代末から90年代前半にかけて日本版「エスクワイヤ」誌に連載されていた対談で、95年に単行本出版され、98年暮れに文庫化されたもの。この手の「時代/都市/文化(音楽・映画・文学)を当代の通人が語る」類は、読む側のタイミングや年齢によってぐるぐると味わいが異なってくるのだろうが(この対談があえて98年末に文庫になる理由も問われておかしくないが)、なにせヴィム・ヴェンダースとジム・ジャームッシュの区別がつかない(←名前似てますよね?)わたくしであるので、そのあたりは無視する。区別つけてから読めという意見もあるが無視する。不良でいることの快楽というのは確かにあって(古い感覚だが「古い=ダサい」にはなり得ない場合があると信じる←これがまたかっこ悪いのだが)、その快楽の薄い上澄みを、音楽や映画やゲームやクラブでなく「文庫本」ですくってみるのは、私のようなひとのworkなのだ。
■正の整数a,b,c,dの値を数式から求めたい場合、a,b,c,dを用いた式がいくつ必要でしょうか。

Jan 20, Thur
■また寒波がやってきて、ぐんと冷える。お日様は顔を見せているが冷たい風が吹く。幼い我が子を寒さから守ろうと親が厚着をさせ過ぎて、哀れにも4人の乳幼児が呼吸困難で亡くなる事故が起きた。いつもの歳末の風景は▼triviaにメモ。
■旧正月に公開される香港映画はスターが顔をそろえる大作が多く「賀歳片」と呼ばれるが、今年は鄭伊健[イーキン・チェン]と劉徳華[アンディ・ラウ]が共演する(またしても)ワイヤーアクション大活躍時代劇『決戰――紫禁之巓』がある。現代ものでは、梁朝偉[トニー・レオン]、鄭伊健、陳慧琳[ケリー・チャン]に最近人気急上昇中の玉女(=美女)タレント張柏芝が共演した『▼東京攻略(Tokyo Raiders)』。イメージ写真がどうもなにか変だが、それは主に梁朝偉が似合わぬ葉巻をくゆらせているのが原因と思われる。
■時間をどう使うか思案している。油断すると2時間3時間平気でネットをぶらぶらしてしまう、それはそれで楽しいのだが、あまり変化がない。昨年後半は「本を読む」行為に甘えていたことに今さら気付いて反省もしてみたり。本を「たくさん読むこと」は今の私にはあまり必要ではないようだ。何も読まないでいることは出来ないが、読むだけで終わるものは読まなくてもよい状態だ。

Jan 17, Mon
■某日系新聞の国際衛星版を取り始めた。「国際衛星版」とは、日本国内版の内容から見開き広告頁を削ったり一部の段組みを変更するなどして薄めにまとめ直し、日本と同日に当地で印刷発行しているもので、航空輸送されてきた国内版よりは若干安い。日系の書籍配達サービス会社に申し込んだのだが、ちゃんと玄関まで配達してくれるのはありがたい。もちろん最初に読むのはテレビ欄です。たとえ番組は見られなくても、ここまで染み着いた生活習慣はかえって誇らしい。それにテレビ欄自体から得る情報だってバカにならないのだ。特にワイドショー関連は(→小柳ルミ子、結局離婚するんですか?)
■前述のとおり、住宅や車などの大きな広告頁は削られているが、本や雑誌の広告はそのまま残っているので、例えば講談社ノベルスの宣伝枠を見て、各所で話題になっているミステリ新刊がどんなあおり文句(=書体やキャッチコピー、デザイン)で売られているのかを知り、びっくりしたりイメージを新たにしたりもできるのだった(これまではWEB上の個人書評頁で新刊情報を読み想像するばかりだったのです)。未だ私の方法が下手なのだろうが、ていねいにWEB回りする時間がない時は、新聞の宣伝欄の方がよほど手間がかからずに種々の出版情報を入手できる、と思ったのも購読を決めた理由のひとつ。ただし一ヵ月の料金がべらぼうなのが痛い。3ヵ月ほど続けてみて、無駄かどうか判断するつもり。
■STARLOG増刊を買ってけらけら読み終って以来、はてSFは自分の中でどう位置づけられておるのやらとぼんやりしている。いつのまにか縁がなくなっていて、どこでどう回線が切れてしまったのか、ずいぶん昔だが「電気羊」をいざ読もうとして数頁でぐったりする自分に悲しくなったのが今もってトラウマになっているのか。どうもこの「回線が切れた時代」に何があったのかを忘れているのだ。今の自分につながる私とそれ以前の私がどのように断線しているか。時々妙なガジェットに魅かれるのは、その時だけ回線がつながっているからなのか。
■IRCに繋げていたがどうにもこうにも眠くなり、つい薄着のままベッドでうとうとしたら、あっというまに鼻ぐすぐすくしゃみ連発涙目状態に陥る。こ、こんな子供みたいな風邪のひきかた、あり?

Jan 16, Sun
■ぬるいと云った途端に肌寒い風がごぅごぅ吹いたりする。冬なんだか春なんだかはっきりしないのは面白い。
■6年近く使ってきたマウス(Apple Desktop Bus Mouse II)がとうとうへにゃもげ始めた。クリックすると、「カチッ!」ではなく「かちょん。」と、どことなく老いぼれたような音がする。もとより自分で修理は出来ないが、中がどうなっているのかむしょうに見たくなる。しかしトラックボールを出し入れする蓋以外にネジもビスも見当たらないので分解できぬ。どこかにドライバーを突っ込んでこじ開けるのだろうか。中にいるこびとさんが疲れて不機嫌な顔で見つめ返してきたらどうしよう(←奈良美智画伯の絵でご想像ください)。
■15時間ほど連続でネットに潜り、「名探偵コナン」のやおい系パロディを漁った。どちらさまも同人誌そのままに綺麗でお洒落なWEB頁ばかりだが、やたら重い上に(これは我がQuadra老嬢のスペックの問題)、時として文章作品(「ここか?ここがいいのか新一?」みたいな邪悪なリソース)がサーモンピンクの地に白文字、黄緑色の地に黒文字、しかもフォントサイズ=2!ちっちぇえよ読めねえよ!といったデザインなのはいささか辛いものがあった。まあ、紙媒体の同人誌では文章頁のひとつひとつを個別にビビッドな色で印刷するのは難しい(物理的には出来るがやたらコストがかかる)ので、そのあたりをWEBでいろいろ実験していらっしゃるのかもしれぬ。カラーイラストも自費印刷して世間にお目もじさせようと思えばお金がかかるが、WEBならソフトと置き場所さえあればいくらでも新作を発表できるし(但し無料公開になる)。同人出版とWEBサイト構築の経済的相違を今時の同人諸氏はどう考察しているのか、知ってみたい気もする。結局、半日潜って読んだのは同人誌換算で30冊くらいか。読者側としては、例えば実家からビッグサイトに出かける交通費の1/4程度の接続料金(香港は市内電話料金がかからんのはポイントだ)でこれだけ読めたのはありがたいことだった。で、ここを読んでいる皆さんにはあまり利用する人種はいない(一部除く)ように思えますが、ご参考までに。漫画アニメCGゲーム小説MIDI関連ファンサイトの専門検索サイト▼Surgersparadise
■日付が変わって月曜になった頃、消防車のサイレンがやたらにうるさく目が覚める。なにやら玄関のむこうが騒がしい。鉄扉(玄関扉の外側に鉄扉がある)をガンガン叩いて回る音。慌ただしい気配。まさかと思いドアを開けると目の前に消防士さんが立っている。「火事ですよ〜」げげ。うち?うちじゃないよう?
■こういう場合とっさに何を持ち出すものだろうか。財布にクレジットカードにパスポート、鍵に携帯電話というところかしら…と寝ぼけた頭でもう一度廊下をのぞくと今度は妙に落ち着いた顔の警官が。「火事ですよ〜、貴重品もって下に降りてね」「はあ」「火元は下の階の3号室なんだよねー」「エレベータ使わない方がええですかのう?」「んー、そうだねえ、階段で19階くらいまで降りてからならエレベータでいいんじゃないかな〜(←本当はいけません)」「へーい」と寝間着にジャケットをひっかけたかっこうで非常階段をおりかけると、放水用ホースがでこでこ転がっている踊り場でふりむいた消防士さん(眠そう)が「あ、もうだいじょぶだよ、降りなくていいよ」ですって。やれやれ、ぼやだったのかな。
■おかげですっかり目が覚めて更新しています。本格的な火事だったら今ごろぼーぼー燃えていたわたし。レッドゾーン一マス手前で止まった人生ゲーム、日々の暮らしはかくも断崖絶壁の縁を歩むが如し。

Jan 12, Wed
■香港は正月に入ってずっとぬるい日和が続く。このまま春になるのだろうか。最低気温は18-20度、最高気温は21-22度あたりを推移している。一日中なんとなくもったりと、涼しいのか暖かいのかわからないお天気。
■面白いなあといつも思うのが競争馬の中国名。英語と中国語両方の名前が付いているのだ。いくつか面白いものがあったので▼triviaに抜き書きしておきます。
■英熟語・英単語をもう少し補充したい。香港に来た時よりは若干語彙が増えた気もするが、複雑な概念を一語で表現する程度の高い単語(in-とかex-とかpre-とかで始まる、あるいは-lyとか-ousとか-entで終わる長い単語。即ち受験にしか出てこないような単語)の知識は相変わらず決定的に不足している。そんなものはなくても会話は出来るが、しかしひとつのことを言い表すのに、べたべたくだくだとeasyな単語を並べるのが厭になってきた。

Jan 11, Tue
■洋書屋でこいぬやこねこやえっちなおねいさんのカレンダーを眺めたが飽きたらず、綺麗な写真がたっぷり載ったインテリア雑誌を目の保養に買う。ついでになにげなく手にとったSTARLOGの増刊も一緒にレジへ。無声映画時代から最新の「THE MATRIX」まで古今のSF映画・TV番組100タイトルを選んだissueで、なんだか妙に面白そうだったのようまさかHK$168(=約2200円)もするなんて思わなかったのようすごぅく薄っぺらくてくにゃくにゃのチープな出来なのにいぃ(レジで蒼白)。でも改めてめくってみるとあれこれと見たことがある懐かしい番組も紹介されているので許す。人生のほぼ95%をSF度0.001%程度に暮らしてきた私でも「スペース1999」や「600万ドルの男」は見ていたし、「トリフィドの日」や「ミクロの決死圏」だって知っているのだ(古いなあ)。「未知との遭遇」や「エイリアン」は半頁なのに初代「ゴジラ」に丸まる一頁割いてあるのはどう評するべきか。解説に「ゴジラは本国では『Gojira』と呼ばれている」なんて書いてある。「ガッジーラ Godzilla」なんてちゃらけた名前つけといてそりゃないよね。マイトラウマSF映画ベスト1であるところの「X線の眼を持つ男」は見当たらない(少し悔しい)。一方「X-Files」以上にかつてハマった「▼MAX HEADROOM」が紹介されており、戦うテレビレポーター、エディスン=カーターに惚れまくって奔走していた頃を思い出す。まだまだコンピュータが嘘っぽかった(嘘と云うのが差し障りあれば「夢っぽかった」)80年代後半の作品。テレビネットワークが全てをオーダー=支配する21世紀、「テレビを消すこと」が重罪とされるキレた世界を舞台にした、妙ちきりんなサイバーパンク。ディジタルでラディカル、しかしだいぶ明るい、いやネ暗い妙な「20分後の未来」にたまらなく魅かれたのでした。カーターとシオラの関係はモルダーとスカリーに遠く反映されていると思う。「MAX HEADROOM」未見の方はぜひ見ましょう。ミミミミみましょう。Let you be there, the scene of 20 minites into the future.
■ちなみにこの雑誌の表2・表3には日本製アニメのビデオ・LD・DVDの宣伝が載っている。ラインナップはMARTIAN SUCCESSOR NADESICO/BUBBLEGUM CRISIS TOKYO2040/NEON GENESIS EVANGELION/EL HAZARD/TENCHI FOREVER/SERIAL EXPERIMENTS LAIN。それぞれ同じ内容で「dub」と「sub」の二種類があり「dub」の方が若干安い。なんだろう、と思ったらdubbed=吹き替え版、subtitle=字幕版なのでした。アメリカのオタクの皆様は「逃げちゃだめだ…!」を日本語で聞くことに余計な金を払うのであります。
■「本というものは時代性を包含しているものです。その瞬間、その時代に読んでこそ意義があるものも多いのです。そのような本は自分で買うのがいいでしょう。 」---ある場所でどなたかがおっしゃっていた(お名前はわからない)。そうかもな、と思ったのでメモしておく。
■今年一冊目の『アルセーヌ・ルパン物語 怪紳士』を漸く読み終わる。その時代に読んでこそ、とはまた逆さまな、如何にも翻訳しましたぞ!な古風な訳文、ルパン初登場の一篇からホームズとの対決(擦れ違っただけ)までのいくつかの短編を収録したもの。トリックというより敢えて「謎とき」と云った方がルパンには似合いますかな。頭の中でどうしても彼が金髪碧眼にきざったらしい口髭を生やした美貌の紳士姿で登場してしまうのは、某英国探偵パロディ漫画(by四谷シモーヌ、と書くとわかる方にはどういう漫画か一目瞭然である)に登場した彼・ルパンが強烈に印象に残っているからに他ならない。本物のルパンの髪は栗色なのかしらん。じゃなくて本物なんてどこにもいなくなってしまったのがルパンなのか。久しぶりに読んだので間抜けな感想だが、彼がけっこうきちんと泥棒しているので感心している。ちゃんと財布からお金も盗むし、まっとうな盗賊だったんだなあ。せっかくなのでこの後も続いて『八点鐘』(堀口大學訳/新潮文庫)を読む。しかしこの『八点鐘』に収められた八つの短編においてはルパンは何も盗まぬと云う。然らば如何なる奇妙奇怪の活躍なるか、いざやいざや。
■発音に正確にと申さば其はムィストゥリィとも表記せるべき哉。カタカナの妙味げに深し、以てミリェニゥム世にはばかる。
■東の君から賀状、深謝(←遅い挨拶)。

Jan 6, Thur
■空気が暖まるのはいいが、空気汚染も凄まじい。日中はスモッグで真っ白になって、Victoria湾をはさんだ対岸が互いに霞んで見えないほどだ。何かに似ているなと思ったが、これはコンタクトレンズが汚れで曇って視界にもやがかかるのと同じ眺めです。ざぶざぶひと雨降って濯いでほしい。街は冬物バーゲン真っ盛り。「7折(=3割引き)」「5折(=半額)」とでかでかと書いた紙をそこらじゅうに貼りつけて大売りだし中である。中には全店「2折」すなわち8割引きなんて店もある。旧正月(今年は2月5日)まで電飾のかざり付けは一部がお休み。
■電網漂流:▼理科教育ML。理科教育の現場に立つ教師や研究者の皆さんが活発に意見を交換している。過去ログがとてもわかりやすくWEB上にまとめられていて、興味を引かれた話題についてだけたどってゆくこともできる。「ガラスは固体か液体か?」というテーマのスレッドで、大阪板硝子販売株式会社の▼ガラスあれこれという頁が紹介されていた。ガラスは「過冷却の液体(カレーキャクってなんだ)」なんだそうだ。液体って、これ(こんこん、とCRT画面を叩く)が液体なのかー。
■ところで「ガラス」というより「ガース」(かつて鳥取界隈ではこのように呼ばれていたと上記「ガラスあれこれ」にある)の方がオリジナルの発音に近い気がします。英語ではどちらも同じ「glass」なのに、現代日本語ではわざわざ「硝子(ガラス)」と「グラス(杯)」に分けているのは、「ぎやまん」が廃された後に新しい言葉をもってきた頃、何がしかの成り行きがあったのだろう。
■脳味噌の内側にばかり目がいって、philosophized objects(て何だ、造語です)をtoo muchに尊ぶような自分から離れたい。もっと理科的(とは何か)な土台を作りたい。と考えるようになったのもたぶん「知恵の樹」のせいだ。本は全然わからなかったのだが、どうしてこう戻っていくんだろう。

Jan 4, Tue
■新年明けて第一日から6時間ぶっとおし会議で根性を試されている。オーエルもスタミナが重要であります。…って、曜日間違えてました。ぼけ初め。
■今年の読み初めに何を選ぶか迷って、先日買った『アルセーヌ・ルパン物語 怪紳士』(保篠龍緒訳/新学社文庫)を鞄に入れる。毎月初めは昼休みに家賃を払いに銀行にゆき、近くのDeli Francaisというフランス風デリカテセンのチェーン店でお昼を食べることにしているのだが、ミシェル=ポルナレフの甘ったるい歌声が流れる店内でミルクたっぷりのカフェ(ぷふ)を飲みながら古風な訳語のルパンに読み耽るとは、どうもいかにもベタでこそばゆい、しかし嫌いなベタではない。ルパンものを読むのはおそらく四半世紀ぶりで実に楽しい、痛快極まる活躍ぶりに一気にめろめろになる。花の馨がするのは彼の香水の匂いなのかしら〜。ルパンはちゃんと恋をするひとであることが登場第一作(「ルパンの捕縛」)で描かれているが、なんだなあフランス人てのはまったくこれですからほんとに。でも嫌いじゃないのよ。このあとホウムズを読むと、今度はその、恋という言葉からこれ以上はないというくらい隔絶されている探偵の渋みに惚れ惚れするのだ。なんと贅沢な。
■年末に読みさしだった『小説・江戸歌舞伎秘話』(戸板康二/講談社文庫)も同時進行中。今となっては誰がいつそう定めたのか知られない歌舞伎の舞台設定や衣装の隠された由来を、ちょっぴりミステリ風の味つけで明かしてみせる史実短編小説集。勿論全て著者の作り話なのだが、苦労を重ねた役者が見事舞台に花を咲かせる様子や、歌舞伎作者が妙味ある仕掛けを考案して当たりを取る様子はなんだかおめでたく、ほんのりと気分がよい。
■大吉嶺ことDarjeelingの次はEarl Greyを買った。値札表記は「豪門伯爵茶」でした。ごうもんはくしゃく。ごうもんはくしゃく。ご、ごう。

Jan 2, Sun
あけましておめでとうございます。

■元旦早々R子さんから美しい葉書が届く。ご無沙汰していて申し訳ない、今年は逢える機会があればええのですが。実家の方にはN氏(▼恋人と時限爆弾)が律儀に賀状をくだすった(こちらからは出していない、すみません)。N氏は▼津原泰水氏監修の小説集『血の12幻想』に一篇を寄稿する予定だが、はたして南国にいる身とて、いつ読めるだろう。紀伊国屋の世話になるか。
■先日までの寒波はどこへやら、香港の年末年始はたいへん穏やかな日差しに恵まれ、ぽかぽかほかほかどこまでも暖かく、絶好の布団干し日和(でも干せない)。カウントダウンはVictoria湾を望む尖東(Thimshatsui East)の陸橋にて、対岸香港島のビルに時を刻む巨大な特設電光掲示板がしっかと2000年1月1日に変わるのを目撃して満足。花火があがると云われていたけれど、どうやらVictoria湾ではなくHappy Valley 競馬場での政府主催の式典のみらしく、海上花火は例年どおり旧暦正月の催しにとっておくのだろう。Happy Valleyでは年が明けてすぐに西暦2000年世界初と銘打ってナイトレースを実施、競馬ファンは年越しでねじりはちまきだった模様。
■Y2K問題にはどうも真剣になれず備蓄も何もしなかった。政府のお達しか安全のため各ビルのエレベータが軒並み12月31日23時45分から1月1日0時15分までストップさせられたのもいい迷惑だったが、しかし対応のため大晦日元旦とも職場で待機準備していた皆さんの御苦労を思えば「大騒ぎしすぎじゃん」と気軽に云う権利もない。明日から仕事が始まるので、実際の作業に使うソフトが無事かどうか、そこのところで少々どきどきいたします。
■年甲斐もなく▼真似して今年の目標を公言するぞ。
  • 減肥…(真剣)。
  • 脳味噌の筋肉になるような情報摂取のしかたを身につける(今さら〜?)
  • 佳い趣味と素敵な秘密のしっぽをつかまえる(たいへんそう)。
3割ぐらいは達成したいがどうなりますやら。なにとぞ今年もよろしくお願い申し上げます。
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